若手社員が活躍できる環境を整え、成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、省エネルギーを中心としたトータルエネルギーソリューションサービスを展開している日本テクノ株式会社にお話を伺いました。同社では、電力の使用状況分析や設備の改善提案など、企業の省エネ対策を総合的にサポートしています。
日本テクノ株式会社の事業概要:電気のトータルソリューションを提供
日本テクノ株式会社は、発電・小売電気事業、電気保安事業、電力コンサルティング事業など、電気に関わる総合的なソリューションを提供しています。
同社は、電力の安定供給という重要な社会インフラを支える業務を担うとともに、独自の製品を活用して電気の「見える化」「理解(わか)る化」を推進しています。
会社名 | 日本テクノ株式会社 |
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住所 | 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル53階 |
事業内容 | トータルエネルギーソリューションサービス ・キュービクル常時監視システム販売および電力コンサルティング ・高圧電気設備保安管理・点検業務 ・発電・小売電気事業 ・電気料金自動検針システム(ECO-TENANT) ・ビジネスマッチング(M&A)に関する仲介、斡旋および支援業務 |
設立 | 1995年4月4日 |
公式ページ | https://www.n-techno.co.jp/ |
同社では、新卒入社後わずか半年で役職に就く社員がいるなど、若手社員の活躍が目立ちます。社員の意見が尊重され、それが社内制度の策定にも反映される風通しの良い企業文化が根付いています。
同社の成長の秘訣や職場環境について、管理部総務・採用担当次長の産方弘二さん、人財採用課主任の保泉(ほずみ)亮さん、総務課班長の堀居悠理さんにお話を伺いました。
ミッション:電力の安定供給と社会的責任の遂行
▲電力を見える化する独自の製品「SMARTMETER ERIA」「SMART CLOCK」
編集部
初めに、日本テクノさんの事業内容について伺わせてください。
産方さん
日本テクノは電力に関するソリューションをトータルで提供しています。電力は社会インフラの根幹を担うエネルギーですので、電気設備の安全を守る保安管理事業を手掛けています。
当社は「ES SYSTEM」という製品を開発し、業界で初めて民間企業として高圧電気設備の点検分野に参入しました。
また、企業の省エネ支援にも力を入れています。省エネ実現には電気の「見える化」「理解(わか)る化」が不可欠です。そこで、独自製品「SMART CLOCK」と「SMARTMETER ERIA」を展開しています。
「SMART CLOCK」は電力使用状況を一目で把握できる特許取得済みの製品です。時計周囲のLEDの色が電力使用状況に応じて変化し、使いすぎると音声でお知らせします。
「SMARTMETER ERIA」も電力使用状況を可視化するツールで、詳細な数値表示に加え、使用状況に合わせて画面の色とキャラクターの表情が変わります。
編集部
社会的に再生可能エネルギーの注目度が上がっていますが、この分野についても日本テクノさんではサービスを展開されているのでしょうか?
産方さん
はい、日本テクノでは再生可能エネルギーの分野において、「DR(デマンドレスポンス)(※)プロジェクト」を展開しています。(※)電力の需給状況に応じて電力の使用状況を調節すること。供給量が多く市場価格が安い時間帯に電力を積極的に利用し、供給量が少なく市場価格が高い時間帯は節電をすることになる。
このプロジェクトでは、参加企業に電力需給逼迫時の節電と再生可能エネルギー余剰時の積極的な電力利用をお願いし、協力企業には特典ポイントを付与します。これにより、再生可能エネルギーの有効活用と電力需給逼迫の解消を目指しています。また、CO2フリーの電力メニュープランも提供しており、好評をいただいています。
編集部
災害や紛争など有事が増えてきた近年では電力の注目度が上がっていると感じていますが、日本テクノさんは現在のエネルギー事情についてどのように捉えていらっしゃるのでしょうか?
産方さん
日本は資源が少ない国であり、海外の有事によってエネルギー分野で影響を受けやすい状況です。また、近年の災害増加により、電力の安定供給の重要性がより高まっていると感じています。
私たちはエネルギー高騰の影響に左右されないビジネスモデルの構築を目指しており、現在その確立に向けて進展しています。同時に、災害時の電気設備復旧も重要な課題です。災害の激甚化に対応するため、迅速かつ安全・安心な保安管理の進化にも取り組んでいます。
今後も、電力の安定供給をお客様に届けることを最重要課題として取り組んでいきます。
編集部
日本テクノさんは民間の企業ではありますが、社会インフラを支えるという公共性も併せ持っていらっしゃるのですね。
成長の軌跡:売上1,000億円突破と自社発電所の役割
編集部
日本テクノさんの成長がわかる実績をお教えください。
産方さん
日本テクノは2010年から安定的に成長を続けています。2010年から2017年にかけて売り上げは約4倍となっており、2021年は売り上げ約874億円、2022年には1,000億円を突破し約1,357億円となりました。この数字は、私たちの事業が着実に拡大していることを示しています。
編集部
日本テクノさんがここまで成長できた要因は何でしょうか?
産方さん
弊社は1995年に設立し、紆余曲折ありながら成長してきた会社です。その時代、時代の状況に合わせてしっかり対策を取ってきたというのが一番の成長要因として挙げられるでしょう。
特に、2011年の東日本大震災は大きな転機となりました。震災後、電力需給逼迫という言葉が世の中でよく聞かれるようになりましたが、その翌年2012年に自社発電所を竣工して運用開始をしたのが成長の起点だと感じています。
現在、発電所は5カ所あり、LNG火力発電所が3カ所、太陽光発電所とディーゼル発電所が1カ所ずつです。これにより、多様な発電方式で安定した電力供給を実現しています。
編集部
発電所を持つことでビジネスにどんな好影響が生まれるのでしょうか?
産方さん
発電所を持つことで、電力を安定的に供給できるようになります。電力小売事業において弊社は価格で勝負するのではなく、電力のトータルソリューションを提供可能としているというところにストロングポイントを置いているのです。
ですので、過度な価格競争に巻き込まれることがないという利点が生まれています。
加えて、先ほど申し上げた電気の「見える化」「理解る化」についても製品開発やサービスの改良を繰り返し、お客さまの声も反映しながらバージョンアップしてきました。もちろん営業や保安管理、そしてバックヤードを担う一人ひとりの仲間ががんばってくれたことで、今の日本テクノがあるのだと感じています。
編集部
自社設備、サービス、そして社員さんのがんばりの3つが成長のエンジンとなっているのですね。
日本テクノ株式会社の社内文化:若手育成と社員の声を重視する組織づくり
編集部
日本テクノさんの社員数と年齢構成について教えていただけますか。
産方さん
日本テクノは2024年1月1日現在で1,418名の社員が在籍しており、年齢層は若手からベテランまで幅広く分布しています。私が2006年に入社した頃と比べると、社員数は約4倍に増加しました。拠点数も当時の30カ所未満から、現在は68拠点にまで拡大しています。
規模は大きくなりましたが、社員一人ひとりを大切にし、人材教育に力を入れるという姿勢は設立時から一貫しています。
弊社の経営理念に「最初から出来る人はいない、だから努力すれば私にも出来る」「夢に描いたことは、努力することで必ず実現する」とあります。この理念に基づき、企業の成長だけでなく、社員の成長にも力を入れています。
編集部
若手社員の成長と活躍についてはいかがでしょうか。
保泉さん
毎年多くの新卒社員が入社しますが、4月に入社して半年後には役職がワンランク上がっている社員もいます。日本テクノでは、若手社員にも早くから裁量権を持って働ける環境が整っています。
編集部
中途入社の社員さんの状況はどうでしょうか。
堀居さん
私自身が中途入社で総務担当となりました。前職は営業職で、業界も職種も未経験でした。当初は右も左もわからない状況でしたが、相談できる環境がとてもありがたかったです。
直属の上司が常に気にかけてくれましたし、自分のキャリアプランについて意見を言える場が多くありました。未経験であることを忘れるほど、自信を持って働ける風通しの良さを感じました。
編集部
社員の意見を聞く場について、具体的にはどのような機会がありますか?
産方さん
月に一度「活躍セミナー」という研修を開催しています。弊社代表が進行役を務め、電力業界や会社の動向について社員に説明します。同時に、社員が質問したりアイデアを出したりする機会も設けています。
全社員が毎回参加するわけではありませんが、年に2回以上は参加の機会があります。意見のある社員には積極的に発言してもらい、その場で解決することもあれば、新制度の検討につながることもあります。
編集部
社員の意見が実際に反映された例はありますか?
産方さん
はい、例えば賞与支給時に「自分にとってのヒーロー」を社員が投票する制度は、社員からの提案で実現しました。
また、転勤する社員向けの帰省旅費助成制度があります。当初は3カ月に1回の帰省を対象としていましたが、社員の要望により毎月1回に変更されました。
その他、システム関連でも社員からの提案をすぐに反映するなど、社員の声を積極的に実現しようとする姿勢が強い会社だと思います。
ワークライフバランス:充実した時短勤務制度とメリハリある働き方
編集部
日本テクノさんの働く環境についてはいかがでしょうか?
保泉さん
弊社は働きやすい会社です。私も転職して日本テクノに入社しましたが、前職と比べても有給休暇を取得しやすいですし、残業時間も少なくなりました。新卒採用の会社説明会では、自信を持ってワークライフバランスが充実していると伝えています。
若手の社員からも「メリハリをつけて働ける」という声が出ていますので、私だけでなく多くの社員が働きやすさを感じているのではないでしょうか。
堀居さん
私も基本的には定時で仕事を切り上げています。私が所属している総務課は特に、決められた時間内でどれだけのパフォーマンスを出せるかを重視しています。メリハリをつけて働けているので、仕事とプライベートともに充実していると感じています。
編集部
子育て中の社員さんもいらっしゃると思いますが、サポート体制についてもお聞かせください。
産方さん
日本テクノは産休や育休の制度が確立されており、復帰率は100%です。復帰後は時短勤務で働いてもらっていますが、弊社は法定以上の小学4年生の3月31日まで時短勤務が可能です。
また、育休については男性社員の間でも取得の機運が高まっています。取得する人も増えていますし、社内報で取得した男性社員のインタビューを掲載するなどして社内の理解と協力を深めています。
編集部
働く環境を整えるための制度が充実している日本テクノさんですが、今後働き方において取り組んでいきたいことは何でしょうか?
産方さん
弊社にはまだ介護に当たっている社員がそれほど多くはないのですが、今後増えてくることが予想されます。介護によって休職する社員もいると思いますので、その点においても理解と協力を深めていきたいですね。
ただ、現時点でも介護による休職後に復帰したとしても、問題なく復帰できる環境はあると考えています。
編集部
制度だけでなく、社員さん同士がサポートし合うことで働きやすい職場環境を作っているのですね。
福利厚生:リゾート保養所と豊富なサークル活動
編集部
日本テクノさんには社員さんが宿泊できる保養所があると伺いました。
堀居さん
日本テクノは静岡県熱海市と沖縄県宜野湾市のリゾートマンションを区分所有しています。社員とその家族であれば、年間を通して一律の安価な料金で利用できます。
また、タイムシェアの保養所も所有しており、利用可能日数は限られますが、全国の施設から選んで宿泊できる仕組みもあります。
編集部
リゾート地に保養所があるのは社員さんにとって魅力的ですね。そのほか、独自の仕組みや制度はございますでしょうか?
堀居さん
弊社では現在、全国で125個のサークルが活動しており、活動費は会社が補助しています。私が所属するフットサルサークルは、全サークル中最多の62名が在籍しています。
サークルでは、さまざまな部署や年齢の社員と交流できます。この関係性があるからこそ、仕事で何か問題が生じたときにも相談しやすい環境が生まれています。
保泉さん
サークルへの加入は任意で、1人2つまで参加できます。堀居が言及したように、サークルを通じて多様な社員との交流が生まれ、結果的に業務がスムーズに進行することもあります。
これは日本テクノ独自の企業文化の一つだと考えています。
編集部
サークル活動を通じて、組織の横のつながりを強化されているのですね。
日本テクノ株式会社が求める人材像:チャレンジ精神と努力を重視
編集部
最後に、日本テクノさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
堀居さん
日本テクノには未経験であれ経験者であれ互いに成長し合える風土があります。「もっとこうしたらいい」「こうできたらいい」とみんなで会社を作り上げている感覚を味わえる環境です。
前向きに仕事を楽しみたい方、自分のやりたいことを見つけたい方を歓迎します。チャレンジの機会も多いので、成長したい方にとって魅力的な職場だと思います。
保泉さん
弊社はチャレンジという言葉がぴったりの会社です。私も業界職種ともに未経験で入社し、日々新しいことに挑戦しています。
また、私たちのサービスは心からお客さまのことを思って生まれています。だからこそ社員一人ひとりがお客さまに自信を持ってサービスを提供しているのです。自分の会社に魅力を感じながら働けることはすばらしいことだということをお伝えしたいですね。
弊社はコロナ禍の逆境のなかでも成長を続けてきました。変化に柔軟に対応できる会社ですので、臆せずチャレンジできる人と一緒に日本テクノをさらに大きくしていきたいです。
産方さん
2人の話にもあった通り、チャレンジし続けられる人、努力し続けられる人は弊社に非常にマッチすると思います。新卒、中途に限らず活躍できますし、未経験者であっても安心して働けます。
私自身も中途で入社し、未経験で営業を務めていました。教育体制がしっかりしていたおかげで、着実に成長することができました。
そして、活躍できるかどうかは自分の気持ち次第です。会社は社員のがんばりを見てくれますので、ぜひ多くの方に日本テクノで挑戦していただきたいです。
編集部
ビジネスパーソンとして成長し続けたい方にとって、安定した基盤を持ちながら挑戦できる環境もある日本テクノさんは、まさに魅力的な職場だと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
日本テクノ株式会社:https://www.n-techno.co.jp/
採用ページ:https://www.n-techno.co.jp/recruit/