若手のメンバーが活躍する企業に、そのカルチャーや制度を伺うこの企画。今回は「昼はカフェ、夜はサカバ。」をコンセプトとした「PRONTO(プロント)」など、個性的な飲食業態のブランドを複数企画・運営し、全国でフランチャイズ展開を行う株式会社プロントコーポレーションにお話を伺いました。
憩いの場を創造する株式会社プロントコーポレーション
株式会社プロントコーポレーションは、サントリーとUCCの共同出資により誕生した飲食チェーンPRONTO(プロント)をはじめとした、様々な飲食業態(ブランド)のフランチャイザー(※)です。お客様に、一日中いつ行ってもくつろげる「憩いの場」を提供することを目指し、様々な特徴のある飲食店の企画・運営を行っています。企画した店舗のFC(フランチャイズ)展開やコンサルティングも手掛けています。
(※)FC(フランチャイズ)というシステムで、加盟店の契約を結んだ個人や法人に、店舗の名前や運営ノウハウを提供する側
会社名 | 株式会社プロントコーポレーション |
---|---|
住所 | 東京都港区港南1丁目8番27号 日新ビル |
事業内容 | ・フランチャイズチェーン本部機能 ・様々なブランドの企画、運営、経営 |
設立 | 1988年2月1日 |
公式ページ | https://www.pronto.co.jp/ |
今回は、そんな株式会社プロントコーポレーションにおける若手の活躍や、どのようなカルチャーが浸透しているのかなどを、コーポレート本部管理部採用担当の宮本暁さんと千島花子さんにインタビューさせていただきました。
カフェ、サカバ、ふたつの顔を持つPRONTOなどをFC展開
▲PRONTO(プロント)は、昼間はカフェ、夜はサカバの二面性が特徴的な店舗。(公式サイトより引用)
編集部
最初に、プロントコーポレーションさんの事業についてお聞かせください。
千島さん
弊社のメイン事業は、全国に展開しているPRONTO(プロント)・Di PUNTO(ディプント)・È PRONTO(エプロント)・和カフェTsumugi(ツムギ)・エビノスパゲッティなどの運営とFC展開です。FC本部として、加盟するオーナー様への経営指導も行っています。
▲各業態(ブランド)で季節ごとのメニュー開発を随時行っている(公式サイトより引用)
編集部
様々な店舗を手掛けていらっしゃるのですね。
千島さん
私たちが手掛けている店舗にはそれぞれに特徴があります。例えばメイン業態の「PRONTO」は、朝・昼は働く人が気軽に立ち寄れる空間を提供するカフェですが、夜の時間帯になると酒場メニューやお酒を提供しており、思わず仕事終わりに立ち寄りたくなる「キッサカバ」へと変身します。
ほかにも、気軽にワインを楽しめる「Di PUNTO」やホットドッグやレモネードがシグネチャーメニューのカフェ「È PRONTO」、和をテーマにお茶やスイーツを提供する和カフェ「Tsumugi」など様々に趣向を凝らした店舗があります。
▲サントリーがこだわってつくるお酒を提供。サントリーグループであることが店舗の魅力の一つになっている(公式サイトより引用)
編集部
FC展開についてもお教えいただけますか。
千島さん
プロントコーポレーションの店舗数は、全国で約300店舗です。そのうちの半数以上、100社を超えるFCオーナー様の運営によるものです。
私たちは、流行や時代のニーズに合わせてブランドやメニューの開発を続け、運営ノウハウを提供しています。また、ノウハウの提供だけではなく、店舗でのオペレーションやサービスを習得する研修制度も完備し、FCオーナー様の安定した収益構造の実現に取り組んでいます。
編集部
それぞれのブランド、メニューがとても個性的だと感じました。キッサカバには、サントリーグループならではのこだわりがあるお酒が提供されるなど、魅力がいっぱいですね。
部下100名の店舗などで入社直後からマネジメントを学ぶ
編集部
プロントコーポレーションさんのキャリアパスについて教えてください。
千島さん
入社してすぐの社員は、まずは現場でアルバイトと同じように接客や調理業務を経験します。また、店舗業務と同時進行でアルバイトの採用や教育、労務管理、営業状態のチェックや衛生に関わる管理業務なども行います。
新入社員とはいえ、大型店では100名ほどのアルバイトをマネジメントする立場になります。若いうちからダイナミックな仕事に関わっていけるのが、弊社のキャリアパスの特徴ですね。
編集部
店舗業務を経験した後はどのようなキャリアがあるのでしょうか。
宮本さん
店舗業務を経験した社員は、1~2年で副店長・店長を目指します。年に2回行われる試験で自身の取り組みをプレゼンし、副店長、店長への昇格が決定します。
副店長・店長となって「店舗を管理する業務」が主になると、店の損益に関わる人件費や原価に対する意識が大切になります。店舗社員は売上を伸ばすことが最終的なミッションですので、一人ひとりが現場の課題と向き合い、日々試行錯誤しています。
編集部
入社間もない方に任される役割は、責任もありますがとてもやりがいがありそうですね。店長になった後の道についても教えてください。
宮本さん
店長経験後は、複数店舗を運営管理するSVへキャリアアップするほか、本部での業務も希望できます。本部では、企画、商品開発、採用、スタッフ教育などの業務があります。本人の希望や適性に合わせ、キャリアプランを立てていきます。
ミッションは、経営者のような視点を持つ人材の育成
編集部
プロントコーポレーションさんでキャリアを積んでいく中で、教育制度などはあるのでしょうか。
千島さん
入社後研修のほか、副店長・店長向け、SV向けというような階層別の研修があります。業務で必要とされるノウハウを学び、ビジネス力を向上させられるプログラムになっています。
他にも選抜メンバー限定ですが、イタリアやニューヨークなど、カフェやバルの本場を視察する海外研修や、サントリーのビール工場・ウイスキー工場・ワイナリーでの現地視察研修も過去にありました。将来、店舗マネジメントをする際にはきっと役立つと思います。
また、特に店長に向けて業績会という月ごとの振り返り会があります。ここでは店舗ごとの運営状況について、SVから具体的なフィードバックが行われます。
編集部
業績会は毎月行われているのですか。どのような内容なのか、詳しく教えてください。
千島さん
業績会では、例えば「今月は店舗でこんな取り組みをしました」という報告と「その結果、売上はどうだったのか、損益はどうだったのか」という分析を行っています。店長に、経営に対する勉強をしてもらう機会になっています。
店長は、単発の研修を受けただけでは身に付けられないようなノウハウが習得でき、実践を繰り返すことによって経験値も上がります。プロントコーポレーションでは、店長を育てるというより、経営者の視点・センスを持った人材を育てることをミッションにしています。
編集部
業績会は、店長をレベルアップさせる手厚いフォローアップなのですね。プロントコーポレーションさんは、新人のビジネススキルを、早いうちから高めようとしていらっしゃるのだなと感じました。
ビジネスセンスを磨き成長。20代でSVへの昇格者多数
編集部
プロントコーポレーションさんで働く若手の方はどのように活躍されていらっしゃいますか。
宮本さん
弊社では、20代後半で店長やスーパーバイザー(SV)を任されている若手がたくさんいます。勤務年数の長さではなく、明確な評価基準と試験制度によって昇格が決まっています。
22歳で入社した場合だと、ストレートに試験をクリアし評価されていけば、副店長を経て25~26歳で店長になります。さらに店長を2年経験して試験に受かり、店舗運営の状況や売上の実績が評価されると、複数店舗を統括するSVへと昇格。最初のうちは先輩の補助的な役割となりますが、若いうちから会社経営のような業務に携わっていくことになります。
編集部
SVになると、どのような業務を任されるのでしょうか。
宮本さん
SVは、複数店舗の労務管理や数字の管理を行います。ヒト、モノ、カネの動きをコントロールしながら、飲食業界でのノウハウを幅広く身につけられるでしょう。20代のうちからSVの業務を通して「会社経営の縮図」を経験できるのは、ビジネススキルを高めたい方にとって大きなメリットだと思います。
また、プロントコーポレーションのSVの業務の中でも特徴的なのは「経営の指導」です。弊社はFCビジネスをメインとしているので、FC店やオーナー様に対し、SVが経営の指導を行っています。
オーナー様の店舗の数字を分析して「利益を上げるためにこんなことをしましょう」と提案したり業務改善を後押ししたりします。弊社のSVには、経営のプロフェッショナルとしての高いビジネスレベルが求められます。
編集部
入社から2~3年で店長へ、そしてSVへと昇格している20代の方がたくさんいらっしゃることに驚きました。昇格すれば報酬も上がっていくので、社員の皆様は高いモチベーションを持ち続けていらっしゃるのでしょうね。
サントリー共済会、資格取得支援など福利厚生が充実
編集部
プロントコーポレーションさんでは、どのような福利厚生で新人や若手をサポートしていらっしゃるのでしょうか。
千島さん
ソムリエやコーヒーマイスターなど、飲食業界で役に立つ技術を向上させるための資格取得を支援しています。ほかにも、ビジネスに活かせるものとして日商簿記検定やキャリアコンサルタント、産業カウンセラーなどの資格取得も応援しています。FCビジネスにおけるオーナーリクルーティングや、店舗開発の業務に役立つ宅地建物取引士も補助の対象となる資格です。
編集部
ほかに、プロントコーポレーションさんならではの福利厚生はございますか。
千島さん
弊社はサントリーグループのグループ企業として「サントリー共済会」に加入しています。「サントリー共済会」は、グループの社員とその家族の生涯福祉の安定と、グループとしての一体感・求心力の醸成を目的として設立されたものです。
育児、介護、休暇の領域で様々なサポートがあって、傷病で休職している会員への「休職見舞金支給」や、健康保険が適用されないがん治療のための費用を支給する「がん先進医療補償」、「不妊治療サポート」などの制度があります。女性の復職をサポートする「ホームヘルパー利用補助」や「ベビーシッター育児支援補助」を利用している子育て中の社員がたくさんいますよ。
これらの福利厚生が社員にとって、プロントコーポレーションを「働きやすい職場だ」と感じる要因になっていると思います。
編集部
社員の成長を応援するものから、社員の暮らしを支えるものまで、福利厚生の内容がとても充実していますね。サントリー共済会の幅広いサポートを受けられるのが魅力的だと思いました。
目標は2026年に現状の2倍へ。女性役職者を育成中
編集部
プロントコーポレーションさんの中での女性の活躍についてお聞かせください。
千島さん
弊社での女性活躍の取り組みについては、行動計画を策定しています。女性管理職や女性リーダー職・SV職の割合を上げていくことを目標に、教育・研修に力を入れています。
2023年の時点でSV職に占める女性の割合は約30%です。現在、若い女性社員が副店長から店長へ、そしてSVへと昇格している事例が増えていますので、役職として活躍する女性の割合はこれからも上がっていくと思います。近年は、新卒で入社する方のほとんどが女性という傾向もあります。
編集部
新卒で入社される方は女性が多いのですね。中途入社される女性の方もいらっしゃると思いますが、女性を管理職や役職者として育成するための新しい取り組みなどはあるのでしょうか。
千島さん
もともと、新卒社員をフォローするメンター制度はあったので、中途入社者にも同様に、フォローしていく制度を新たに整備しようとしています。
あとは、会社の制度や「サントリー共済会」で社員をフォローできることが年々増えていますので、それらの周知活動も徹底していきたいと思っています。例えば、共働きの夫婦がどちらも仕事を辞めずに無理なく子育てできる支援制度など、そのような情報を社員の皆さんがもれなく取得できるように、環境を整えていく計画です。
編集部
実際に、様々な制度を利用しながら、子育てと仕事を両立されている女性はいらっしゃるのでしょうか。
千島さん
弊社で活躍する子育て世代の女性はたくさんいます。「ベビーシッター育児支援補助」を利用したり、時短制度を利用したりして、子育てと仕事を両立していますよ。ちなみに、男性の育休取得者も増えています。
プロントコーポレーションには、子育てしながらでも働きやすいというカルチャーが浸透しています。子どもの熱が出れば、当たり前のように周りのスタッフが協力して、通常通りに店舗が営業できるよう協力し合っています。
編集部
子育てに関する補助や制度が複数あって、会社からその利用を促してくれるというのは心強いですね。女性が長く働き続けられる環境だと改めて感じました。
大学2年生から4年生までを受け入れる1dayインターンが人気
編集部
プロントコーポレーションさんのインターンについて教えてください。
千島さん
弊社のインターンには大学2~4年生を受け入れています。Webで参加できる気軽なものや本社で入社前研修の簡易版を体験してもらうもの、SVの業務を体験できるものなど3~4種類のコースを用意しています。
編集部
インターンはどのようなプログラムですか。
千島さん
1日で終了するプログラムが多いです。学生さんからすると、店舗業務はアルバイトの延長のように思われがちですが、社員としての視点で商品づくりのオペレーションや接客に挑戦してもらっています。インターンに参加した学生さんが「楽しいな」と思えたり「こんなこともするんだ」という発見ができたりする内容を企画しています。
来店くださるお客様を、どうおもてなしするかというホスピタリティや、アルバイトのお手本になれるような立ち振る舞いはどのようなものかを意識して、インターンに参加してもらえるといいですね。
編集部
なるほど。飲食店のアルバイト経験がある学生さんにも社員の立場を意識してもらって、店舗業務の中に新たな発見ができるようなインターンなのですね。
採用したいのは「やってみなはれ」精神・チャレンジ精神旺盛な方
編集部
これからプロントコーポレーションさんに入社する方に求められるのは、どのような要素でしょうか。
宮本さん
新人や若手にもマネジメントを積極的に任せていくなど、チャレンジングな取り組みを尊重する社風ですから、自分からアクションを起こせるような方が活躍できると思います。サントリーグループには、失敗を恐れずチャレンジし続ける「やってみなはれ」という、創業から根付く価値観があります。
店舗業務は、お客様の来店を待つ受け身のサービスではありますが、売上をアップさせるためには、こちらからアクションを起こして成果をつかみ取る行動力や、周りを巻き込む積極性が必要でしょう。
チャレンジ精神をしっかり持って、自分のやりたいことを自分で発信していける方は弊社の社風に合っていると思います。
千島さん
私は新卒採用に関わっていることもあり「どのような人が採用されやすいのか」という質問をいただくことがあります。そのときには「誠実な人」とお答えしています。
飲食業はBtoCのお仕事です。ここで実績を上げていくためには、お客様やアルバイトスタッフ、もちろんお取引先様に対しても、「素敵なお店」「くつろげるお店」だと感じてもらえるような店舗運営をしていく必要があり、そのためにはホスピタリティ=人に対して誠実な心が重要だと思っています。
店舗をご利用くださるお客様に、どこまで誠実に向き合いサービスを提供できるかというような考えを持って仕事に取り組める方に、ぜひご応募いただければと思います。
編集部
宮本さん、千島さんのお話を通して、プロントコーポレーションさんはチャレンジする気持ちや行動力を後押ししてくれる環境であることと、人に対する向き合い方を大切にしていることが分かりました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社プロントコーポレーション:https://www.pronto.co.jp/
採用ページ:https://www.pronto.co.jp/company/recruit/