株式会社UZUZが実現する若手活躍の環境。成果主義で「ウズウズ」と働ける理由

若手の活躍と成長を続ける企業にインタビューをする本企画。今回は、第二新卒などの若い世代と企業をつなげるため、「働くこと」への意識を根本から変える仕組みを生み出している株式会社UZUZにお話を伺いました。同社は、就職や転職に悩む若者たちに新たな可能性を提供し、企業とのマッチングを支援しています。

株式会社UZUZの事業概要と理念

▲株式会社UZUZのミッション（公式サイトから引用）

株式会社UZUZは、20代の新卒だけでなく第二新卒・既卒・フリーター向けに「オーダーメイド型」の就業サポートを提供しています。これは、個々の状況や希望に合わせた細やかな支援を意味します。

創業者の一人である当時の代表には、新卒で入社した企業を数ヶ月で退職した経験がありました。その後の転職活動で苦労をした経験から、若者たちが持つ可能性やチャンスを潰したくないという強い思いで立ち上げたのが株式会社UZUZです。

会社名	株式会社UZUZ
住所	東京都新宿区西新宿3丁目11-20オフィススクエアビル新宿3階
事業内容	・人材紹介事業（新卒・第二新卒・既卒者向け）・就職支援事業（YouTube・キャリエモン・情報メディア）・教育研修事業（法人向け）・ITスクール事業（個人向け）・公共事業受託事業（デジタル人材育成・IT教材提供など）・採用コンサルティング事業
設立	2012年2月22日
公式ページ	https://uzuz.jp/
働き方	ハイブリッド勤務（出社＋リモートワーク）

株式会社UZUZでは、就職や働くという行為に行き詰まった若者たちが「働く」をもっとポジティブに感じられるよう、まずは社員自身が"ウズウズ"と意欲的に働いている必要があると考えています。

世界中を"ウズウズ"させる革新的な動きを継続的に生み出す株式会社UZUZの急成長の秘訣や、キャリアアップをサポートする具体的な取り組み、そして社内の働き方について、今回は専務取締役である川畑さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方

株式会社UZUZ
専務取締役

川畑翔太郎さん

オーダーメイド型就業サポートで高い定着率を実現

▲オーダーメイド型の就業サポートで長期就業を実現している。

編集部

本日はよろしくお願いいたします。まず最初に、UZUZさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

川畑さん

弊社では、キャリア支援および人材紹介・教育研修・SESの3本柱で事業を展開しています。人材紹介では個性に合わせた「オーダーメイド型」での就業サポートに力を入れていて、就職内定率よりも入社後の定着率に重きを置いています。

編集部

実際の定着率はどれくらいなのでしょうか？

川畑さん

弊社が就業サポートをおこなった方の入社半年後の定着率は94.5%と、高い実績を残せています。弊社では、ただ単に企業とマッチングさせて終わりではなく、一度サービスを利用した方であれば就業後もいつでもご相談いただけるようにしています。

弊社のキャリアアドバイザーも、その多くが短期離職や就活での挫折経験を持っているため、「自分のようにはならないように」との思いでサポートを提供しています。

編集部

ただ就職してもらって終わりではなく、その後の定着を重視するというのがUZUZさんの特徴だと感じました。目の前の数字を追うのではなく、ユーザー一人ひとりに対するフォローを欠かさないからこそ高い結果を残せているのですね。

SES事業参入で急成長、昨年対比180%の売上増

▲SES事業の開始により、短期間で事業を大きく成長させた。

編集部

続いて、UZUZさんの近年の成長について伺いたいです。近年の社員数の変化について教えていただけますか？

川畑さん

社員数はこの2年で急激に増えていて、現在は164名です（2023年8月時点）。この変化は、2年前に開始したSES事業（※）が大きく影響しています。SESでは人員の増加が直接売上に繋がるため、事業規模の拡大に比例して社員数も増加しました。
（※）別会社の「株式会社ESES（イーエス）」で事業を展開

編集部

組織としての拡大は、売上などにも現れているのでしょうか。

川畑さん

はい、その通りです。直近の数字では、昨年対比180%の成長を遂げていて、売上も10億円を超えています。確実に利益を出すことで、グループ会社や別法人の設立など、新しいチャレンジも実施していけると考えています。

川畑さん

成長の要因は、人材紹介事業が順調であることに加えて、やはりSES事業の伸びが大きいと思います。特に最近は人手不足が社会課題となっていて、SES事業は需要が高まりやすい業種なので、適切な戦略を実行すれば今後も勢いを維持しながら成長できると考えています。

もちろん、これらの結果は社員の努力があってこそ達成できたものです。

コロナ禍を機にSES事業開始、エンジニア重視の制度で成功

編集部

UZUZさんの急成長へと繋がったSES事業ですが、始めるきっかけは何だったのでしょうか。

川畑さん

きっかけのひとつとして、新型コロナウイルスの影響が挙げられます。コロナ禍が始まるまでは人材紹介だけを手掛けていましたが、その事業が社会情勢の変化で大きな影響を受けてしまいました。

その中で、SESやITエンジニアの派遣事業に関しては顧客を見ていてもそこまで大きな影響は受けていなかったので、事業のリスクヘッジのために幅を広げようということで、人材紹介だけでなく教育研修やSES事業を始めました。

編集部

リスクヘッジのために新事業を始めた結果、急成長に繋がったというわけですね。SES事業は人が定着しづらいと言われていますが、その辺りはいかがでしょうか。

川畑さん

人が定着しづらい背景として、SES業界には給与や評価制度、キャリアパスなどについて課題が多く見られるのが現状です。私たちはその課題を解消するため、エンジニアの方たちを第一に考えた制度をつくりました。

この制度においては、まず報酬に関して不透明な印象を持つことがないよう、プロジェクトの受注単価などを明確に公開しています。納得のいくプロジェクトを受注し、生産性高く取り組んでいただけることで、他社平均を大幅に超える還元率を達成できています。

また、エンジニアは配属に選択権がないことが多く、「やりたいことができない」「得意なスキルを活かせない」というミスマッチが起こりやすいです。そうすると、当然高い離職率にも繋がります。

そのような問題を解決するため、UZUZではヒアリングを実施した上で、エンジニア自身がアサインを選択できるようにしています。もちろん、契約期間満了後の継続の判断についても、選択権はエンジニアにあります。

編集部

なるほど。エンジニアの課題を全面的に解決するよう努めているからこそ社員が定着し、会社としても急成長するという結果が出ているのですね。

成果主義の評価制度で若手の急成長を促進

編集部

UZUZさんでご活躍されている方の具体的なエピソードをお聞かせいただけますでしょうか。

川畑さん

一例を挙げると、子会社である株式会社ESESの社長を務める白川（CEOの白川聖悟さん）のケースが分かりやすいと思います。

白川は入社2年目に営業部長、3年目に事業部長、4年目で横浜支店長を経験し、最年少で執行役員となりました。そして子会社の代表としてSES事業を任されています。

このようなキャリアアップができたのは、各ポジションで成果を残し続けたことが評価されたからです。メンバークラスでは個人の成績がトップクラスだったこと、リーダークラスではそれに加えてチームメンバーの教育やマネジメント面でも結果を残していました。

編集部

素晴らしいですね。年齢や社歴に関係なく、売上などの成果でしっかり評価する制度は、会社に根付いているのでしょうか。

川畑さん

そうですね。いまお話ししていて改めて認識したのですが、UZUZでは年齢や社歴をまったく気にしていないんです。評価制度においてもそこを加味すべきではないと考えており、成果を見るべきだと思っています。

これまでさまざまな制度を試してきましたが、基本は定量評価で、最近は定性評価も少し取り入れています。決まったルールだけで運用していくのは難しいので、フラットな視点を意識して評価ミーティングですり合わせながら、これからも個人の活躍を後押しできるようにしていきたいですね。

編集部

社歴を問わず若手にもキャリアアップのチャンスがあるのは向上心にも繋がりますし、仕事が楽しくなりそうですね。

雇用形態に関わらず平等な機会、失敗を許容する文化

▲入社されたメンバーのキャリアの一例。意欲があり、成果を出した社員が希望するポジションに就いていることがわかる。

編集部

UZUZさんでは年齢ではなく成果を見るカルチャーが確立されているので、若手の方が活躍されるケースも多いのではないでしょうか。

川畑さん

そうですね。白川のようなケースはそう頻繁にあるわけではありませんが、現場で成果を出したメンバーがすぐにリーダーを任され、さらに頑張れば希望するポジションに異動できる環境です。

また、任せる業務やキャリアの自由度に関しては、正社員や業務委託といった雇用形態も考慮していません。「この業務は正社員にしかお願いしない」というような考えはまったくありません。雇用形態で序列が変わるものではないと考えています。

これは業務委託だけでなくアルバイトも同様で、成果が出ているのであればアルバイトの人にも継続して仕事をお願いしていますし、場合によってはそこから正社員に登用するケースもあります。

編集部

雇用形態にとらわれず、平等にチャンスがあるわけですね。若手メンバーがチャレンジを続ける中では、失敗してしまうこともあるかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

川畑さん

何回かは失敗できるように、あえて余裕を持って仕事を依頼するようにしています。案件にもよりますが、3ヶ月～半年ほどの間であれば、失敗したり結果が出なかったりしてもゆったりと見守れるぐらいの余裕を持つようにしていますね。

大きなプロジェクトの場合でも、本人が「やりたい」と手を挙げた際は「これだけの規模だから、うまくいったときは良い結果に繋がるけど、失敗したらこれだけの損失がある」ということを伝えています。それを理解した上で取り組んでくれるのであれば、依頼しています。

UZUZは基本的に第2新卒や既卒の方たちのキャリア支援をしてきた会社なので、失敗をできる限り許容していかないと、自分たちがやっていることと矛盾してしまうと考えています。売上を増やし、利益を確保することで、メンバーに失敗させられるだけの余裕を会社として作っておくべきだと考えています。

編集部

失敗できる環境を会社が作ってくれるんですね。才能があっても失敗を恐れて行動ができない方もいると思いますが、UZUZさんでなら挑戦することに前向きになれそうな気がします。

社員の意見を積極的に取り入れる改善制度

編集部

UZUZさんでは独自制度で組織として改善を続けていると伺ったのですが、どのようなものがあるか教えていただけますか？

川畑さん

まず「kaizen teianチャット」というものがあります。これは、日々の業務で「これはこういう風に改善した方がいいのでは」という提案を、チャットツールに連携しているフォームに入力してもらう形で運用しています。

内容を見て、課題の解決が必要であれば事業部長やリーダーが確認し、「いつまでに対応します」という回答をします。内容は全員が共有するので、「提案をしたけど反応がない」ということは起きない仕組みになっています。

改善例としては、求人紹介において説明資料が必要ではないかという提案が採用され、業務フローが変わるほどの大きな改善となりました。現在は全業種で説明資料が作成されています。

編集部

なるほど。提案に対して、その結果が見える化されているのはすごく良いですね。利用頻度はどのような感じですか？

川畑さん

制度を始めて2年ほどになりますが、開始当初は毎日複数の提案が上がってきて、1年で約400件もの改善提案が集まりました。最近では1週間に3件ぐらいのペースです。

また、全体に公開しない個人的な内容が含まれるときは、「UZUZ目安箱」を利用すれば役員のみに意見を提出することもできます。

編集部

こうやって社員の提案に耳を傾け、常により良い環境へと改善を続けているからこそ、会社の急成長にも繋がっているのですね。

社内通貨「ウズポ」で働きやすい環境づくりを推進

▲社内通貨"ウズポ"を活用して、より良い職場環境づくりに取り組むUZUZさんの特徴的な取り組み。

編集部

UZUZさんには社内通貨があるとお伺いしました。その仕組みについて詳しく教えていただけますか。

川畑さん

はい、社内通貨"ウズポ"についてお話しします。これは月間MBP（※）に選ばれたとき、新規ユーザーを獲得したとき、また他のメンバーに感謝の気持ちを送る「Thanksウズポ」などで付与される社内独自の仮想通貨です。
（※）「Most "ぶっとんでる" Person」の略で、特に優れた成果を上げた社員に贈られる称号です。

1ポイント＝1,000円の価値があり、社内活動に関わる範囲内であれば申請なく自由に活用できる仕組みでした。

編集部

興味深い制度ですね。具体的な活用例を教えていただけますか？

川畑さん

社員へのプレゼント購入や、飲み会の費用として使われることがありました。これにより社員同士のコミュニケーションが活性化し、チームワークの向上にも繋がりました。

また、社員がウズポを集めて電子レンジやコーヒーメーカー、さらにはダーツ台まで購入したこともあります。

この制度は社員の間で非常に浸透していましたが、社員数増加に伴う管理工数の増大が主な理由で、2023年7月末に惜しまれつつ廃止となりました。

編集部

とても魅力的な仕組みですね。業務面だけでなく、職場環境づくりにおいても社員とのコミュニケーションを重視されている様子がよく伝わってきます。