若手社員のいきいきとした活躍により、成長を続ける企業を特集するこの企画。今回は、株式会社ワンパクにお話を伺いました。
株式会社ワンパクはデジタル・インタラクティブ領域を中心に、Webサイト制作やアプリケーションの開発、グラフィックや映像制作など多様なものづくりを行う会社です。制作だけでなく事業会社のコミュニケーション戦略・企画から関わり、クリエイティブやデザインによってクライアントの課題解決やサポートを行う「コミュニケーションファーム」という独自のポジションを築いています。
今回は、代表取締役社長の阿部さん、ディレクター・デザイナーの桑原さんに、ワンパクの成長の秘訣や若手社員の活躍についてお話を聞かせていただきました。
案件の選択と集中・内制化を進め、利益率を劇的に改善したワンパク
▲インタビューにご対応いただいた代表取締役社長の阿部さん
編集部
早速ですが、成長企業のテーマについて伺います。ワンパクさんは2008年に創業されたとのことですが、これまでどのように成長をされてきたのでしょうか。
阿部さん
ワンパクのこれまでの歩みについては、コロナ禍前後で大きく分かれます。コロナ禍以前はどちらかというと拡大志向が強く、現在の東京と大阪の拠点以外にベトナムにも開発拠点を設け、人員も拡大しながら売上を拡大させることを目指していました。
さまざまな案件を受注する中で売上は伸びていきましたが、一方で内制化できず外部パートナーに発注する案件も多くなっていったことから、粗利率には課題を抱えていました。具体的にいうと、コロナ禍以前は約60%の粗利率だったため、4割は外部パートナーに発注し、残った6割で会社を運営していたことになります。その頃は今と比べて人数も多く、従業員1人あたりの利益額という観点からみても課題がありました。
2019年に人員の入れ替わりがあり人数が約2割減となったタイミングと、コロナ禍による業績の低迷が重なり、拡大志向の方針を一旦リセットし、粗利率を高めていこうという方針に切り替えることになりました。
その結果、粗利率を劇的に改善させることに成功しました。2021年はコロナ禍の影響で売り上げは下がったものの、利益率が改善したことでコロナ禍前と比べて1人あたりの利益額はむしろ改善しました。結果、2023年には粗利率は84%と大幅に改善しました。
また、徐々に売上も回復したことも相まって粗利の額も増えていきました。従業員1人あたりの稼ぐ力も、コロナ禍前と比べると約1.5倍となりました。
ワンパクは受託のビジネスモデルということもあり、どうしても売上に関しては外部要因に左右されてしまう部分があります。だからこそ内部で改善を図れる利益率改善に着目して「稼げる体質」に変えていったことが、ワンパクの大きな成長要因となっているのではないかと考えます。
編集部
利益率を上げていく上で、具体的にどのような取り組みを行ったのでしょうか。
阿部さん
一番は、社内で受託できる体制を強化する「内制化」に注力したことです。ワンパクはものづくりの会社としてデザイン、開発業務を中心に受託していますが、社内リソースの関係から外部パートナーへの発注を前提に受託することも少なくありませんでした。
しかしそのやり方を見直し、できる限り社内で完結できるような体制づくりを進めたことで利益率の改善につながりました。また、それまでは外部発注を前提に案件を選ばず受託する方針でしたが、内制化を進める中で受託する案件の選択と集中を図ったのもポイントです。
編集部
なるほど。会社の内部体制を強化することが会社自体の稼ぐ力、利益率の改善につながっていったのですね。
新規事業やスタートアップへの投資で、さらなる成長につなげる
編集部
その他にも成長戦略としてワンパクさんで実施されていることはありますか?
阿部さん
ワンパクは近年、さらなる成長拡大に向けた取り組みを進めるフェーズに入っています。
例えば新規事業展開として、自社で開発したCMSがあるのですが、もともと当社クライアント企業には導入いただいていたのですが、さらにバージョンアップしたものを外部に販売する仕組みをつくっていけたらと考えています。
またスタートアップに対する支援やサポート、投資の取り組みも始めました。具体的には株式会社エアトランクという宅配型トランクルームのブランディング支援を行っています。我々の持つノウハウやナレッジを活かすことで、スタートアップの成長をサポートできるような動きも進めていけたらと考えています。
若手社員に案件を任せることで成長を促すワンパクの組織づくり
▲インタビューにご対応いただいたディレクター・デザイナーの桑原さん(手前)
編集部
続いて若手活躍のテーマについて伺います。内制化のお話にもあったように、会社の成長において若手も含めた社員のスキルアップは欠かせない要素となってくると思いますが、その点はいかがでしょうか。
桑原さん
前提として、ワンパクでは「全員がスペシャル領域を持ったディレクターになろう」ということを人材育成方針としています。
お客様から制作や開発などの案件を受託する仕事というのは、通常はお客様との折衝や案件管理を担うディレクター、制作・開発を行うデザイナー・エンジニアと役割分担をして進めていくのが一般的です。しかしワンパクの場合は役割を分断することなく、全員が固有のスキルを持ちつつも案件を主導していく役割を担えるようになることを目指しています。
つまりワンパクにおいて求められる成長というのは、個々のスキルアップよりもむしろ自身で案件を主導していく「視座の高さ」だということです。一人ひとりが視座を高く持って案件に主体的に向き合うことで、おのずとスキルアップにもつながっていくというのがワンパクの考えです。
編集部
視座の高さというのはどのように培っていくものなのでしょうか?
桑原さん
ワンパクは大手の上場企業を中心に、代理店を介さずお客様と直接取り引きをするのが基本スタイルです。そのためディレクター職に限定せず、デザイナー・エンジニアといった制作チームもお客様と直接コミュニケーションを取る機会を意識してつくるようにしています。
やはりお客様の顔が見えない中で仕事をしていると、どうしても社内で振られたタスクをこなすだけの意識になってしまう部分がありますよね。自身が前に出てお客様とのコミュニケーションを取り、議論を重ねていく過程を経験することで、案件への責任感、向き合い方が変わってきます。
また案件を任せられることで、自身が信頼されているという自信がモチベーションにつながります。それがさらなる知識やスキルの習得につながってくるのだと考えています。
▲一人ひとりが視座高く案件に向き合うことが、スキルや質の向上につながる
編集部
若手社員の方も、お客様と直接コミュニケーションを取る機会があるということでしょうか。
桑原さん
もちろんです。職種、経験値に関わらず多くのメンバーが案件をリードする役割を持てるような工夫を心がけています。実際にお客様と直接コミュニケーションを取って制作を進めているメンバーの大半が20代後半から30代の若手、中堅のメンバーなんですよ。皆それぞれにお客様と対等に会話をしながら、案件を主導しています。
若手社員に案件を任せる場合も、我々のようなマネジメントプレイヤーが必ず各案件に入ってサポートしています。しかしあまりお客様とメンバーの間に入ることはせず、後ろで見守るというスタンスを取るようにしています。リスクマネジメントをしたり、失敗したときにフォローしたりとセーフティーネットを張りつつ、各メンバーが主体的に案件を進められるような体制としているのが特徴です。
編集部
案件を任せることで、社員の方の変化や成長を感じる瞬間はありますか?
桑原さん
一朝一夕に成果を出すのは難しい部分もありますが、たくさん案件を任せながら焦らずに積み重ねていくことが大切だと思っています。そうするとどこかのタイミングで、量が質に切り替わる瞬間が訪れるんですよ。実際に私自身も多くのメンバーを見守ってきた中で、最初は不安もあったメンバーがいつからか急に動きが変わって良くなった、という経験を何度もしています。
阿部さん
直接お客様とコミュニケーションを取ることで、お客様から感謝の言葉をいただく機会が多くなるのも社員の成長にとって大切なポイントです。誰かを介することなく直接感謝を伝えていただけるので、それが成長のモチベーションになっている部分があると思います。
またワンパクでは大手企業様の案件が多く、もともと求められるレベルが高いということもあります。誰かからタスクを振られて取り組むのではなく、自身が先頭に立ってお客様のハイレベルなニーズを汲み、それに対して応えていくことで、どんどんスキルアップが図られている面もあるのではないでしょうか。
社内でのコミュニケーションを通じて、制作物の質を高めていく
編集部
その他に、若手社員の方も含めた社員の方の成長促進のために取り組んでいることがあれば教えてください。
桑原さん
ワンパクのデザイナーは普段各案件にアサインされてそれぞれ仕事をしていますが、デザインチームとして集まってコミュニケーションを取る機会を週に1回設けています。
一人でデザインに向き合っていると心細くなることもありますし、どうしてもアイデアが思い浮かばずに行き詰まってしまう局面もあります。そういうときにカジュアルな相談やアイデアの壁打ちができるような場にしたい、というのが狙いです。コミュニケーションを取ることで他の人から良い刺激を受けられ、制作物の品質の向上にもつながる機会となっています。
編集部
先ほどのお客様とのコミュニケーションのお話でもありましたが、御社では人との関わりの中でスキルを高めていくことを重視されているのが印象的です。
阿部さん
そうですね。純粋なスキルだけでなく、コミュニケーション能力なども含めた人間力を非常に重視しているのが当社の特徴です。実際に評価制度でも、プロジェクトでの直接的な仕事の評価と人間力の評価を50%ずつとしているんですよ。直接お客様とコミュニケーションを取る機会が多いワンパクだからこそ、スキルだけでなく人間力が重視されます。
またチームで仕事をする中でお互いに高め合っていくためにも、後輩のフォローや仲間との助け合いの姿勢は欠かせません。そのため毎朝の挨拶やオフィスの掃除、社内外でのコミュニケーションなどを通じて、ヒューマンスキル・ビジネススキルなどの人間力を高めながら、社員の成長につなげていけたらと考えています。
切磋琢磨しながら、これからのワンパクを考えられる方はぜひ応募を
編集部
最後に、記事を読んでワンパクさんに興味を持った求職者の方に向けてメッセージをお願いします。
桑原さん
ワンパクでは制作スキルだけでなく、お客様とコミュニケーションを取りながら企画や戦略を考える力が求められます。しかしものづくりの会社として、前提に「何かをつくるのが好き」という気持ちがあることが重要です。
「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、まずはその「好き」という気持ちがあれば知識やスキルは後からついてくるものだと思っています。ものづくりが好きな方はぜひ、ご応募いただければと思います。
阿部さん
ワンパクは非常に考える量の多い会社です。普段の仕事の中でも「考え尽くしたか」を問う機会がよくあります。そのため頭を働かせてしっかりと考える、思考力のある方を求めています。一方で、質を高めていくためには量をこなすことも大切です。頭を使いながらどんどん手を動かして経験を積んでいきたいという希望を持つ方を歓迎します。
ワンパクは経営陣と距離も近く、日常的にコミュニケーションを取りながら皆で切磋琢磨して成長していける環境があります。会社として17期目を迎え新たな成長フェーズに入っている今、ワンパクの今後を一緒に考えていきたい方にジョインしていただけると嬉しいです。
編集部
阿部さん、桑原さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
株式会社ワンパクの基本情報
住所 | 東京オフィス(本社):東京都渋谷区代々木5-51-14 大阪オフィス:大阪府大阪市福島区福島6-18-18 WOB NISHIUMEDA 1502 |
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事業内容 | ・企業のコミュニケーション戦略のコンサルティング及びプロデュース ・企業のブランドコンサルティング及びプロデュース ・Webサイトの企画・制作・運営等 |
設立 | 2008年1月23日 |
公式ページ | https://1pac.jp |
採用ページ | https://1pac.jp/ja/recruitment/ |