現在活躍している企業の働き方をお伝えしていくこの企画。今回は「良いモノが正しく届く世界に」をミッションに、クライアント企業のファンを増やすファンマーケティング事業を展開する株式会社BOKURAを取材させていただきました。
株式会社BOKURAとは
株式会社BOKURAでは、SNSなどを活用して顧客企業やブランド、商品のファンをつくり、広告宣伝にかかるコスト削減と売り上げの拡大を支援するファンマーケティング事業を展開しています。「大勢に一方的に広告を打つ」のではなく、「ファンを探し出してラブレターを送る」という手法でクライアント企業のマーケティング支援を行い、順調に事業を成長させています。
会社名 | 株式会社BOKURA |
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住所 | 東京都渋谷区神宮前6-35-3 コープオリンピア711 |
事業内容 | ・ファンマーケティング事業 ・SNSマーケティング事業 ・スポーツマーケティング事業 ・ファン管理SaaS |
設立 | 2015年8月 |
公式ページ | https://bokura.biz/ |
働き方 | 自由出社(フルリモート可) フルフレックス |
今回は、株式会社BOKURAの執行役員である久木田愛理さんに、事業内容やミッション、働き方や社内カルチャーについてお話を聞かせていただきました。
BOKURAは、ファンと企業を繋ぐファンマーケティングを支援
編集部
まずは、BOKURAさんの事業内容のひとつである「ファンマーケティング」について、具体的にお聞かせいただけますでしょうか。
久木田さん
「ファンマーケティング」は、能動的に口コミをしてくれるファンを創り、そこから周囲に広げていってもらうものです。BOKURAでは、クライアント企業のファンを可視化し、ファンとともにブランド開発をしたり、ファンの声を次の商品開発に生かしたりというところまで到達するよう支援しています。
▲ファンを見つけ、クライアント企業とファンとを繋げていく
編集部
ファンマーケティングは、従来のマーケティングとはどのように違うのでしょうか。
久木田さん
これまでは、マス広告やセールスプロモーション、デジタルマーケティングやインフルエンサーマーケティングといった広告宣伝が行われてきました。ですが最近では、このような宣伝を受ける側であるユーザーから「ネット上のコンテンツに突然割り込んでくる広告が嫌だな」「インフルエンサーはPRばかりで信用できない」といった声がよく聞かれるようになりました。
BOKURAのファンマーケティングでは、企業のファンに協力してもらうことで、本来ターゲットであるユーザーからネガティブに思われないマーケティングを行なっています。
不毛なマーケティングをなくし「良いモノが正しく届く世界」を目指す
▲株式会社BOKURAは「良いモノが正しく届く世界に」というミッションを掲げている(公式サイトから引用)
編集部
なぜファンマーケティングをしようとお考えになったのでしょうか。
久木田さん
広告を出してもターゲットにネガティブに思われてしまっては、せっかく良いものを作って、多大なコストを投じて商品をPRしても効果が薄くなってしまいます。この辺りの問題を解決していくことが私たちのミッション「良いモノが正しく届く世界に」だと思っています。
編集部
なるほど。従来のマーケティングにおける問題を解決するのが、ファンマーケティングというわけですね。
久木田さん
その通りです。「どういったアプローチであればターゲットに届くのか」を、自分の普段の行動を振り返ったとき、マス広告やインフルエンサーよりも、家族や友人など信頼している人から勧められるほうが購入という行動に繋がりやすいのではないかとか考えました。
編集部
確かに、家族や友人が何かのファンだった場合、それをすすめられて自分も体験してみてハマるということはありますね。「報酬を受け取って宣伝している人の声」より、「報酬など関係なく“ただただ好きで”勝手に良さを広めている人の声」を信頼すると思います。
久木田さん
そうですよね。BOKURAの「ファンマーケティング」では、企業やブランド、商品のファンを見つけ・育て・巻き込むことで、さらなるファンを広げていきます。これにより、それまでよりも少ないコストで、「良いモノが正しく届く=クライアント様の売上がアップする」ことを目指しています。
久木田さん
つまり、ファンが自主的に周囲におすすめをしたり、商品に対して自主的に意見を言うといった“ファンが自走している状態”で、「ファンとクライアント様が共創できること」がゴールです。
編集部
なるほど。「良いモノが正しく届く世界に」というBOKURAさんのミッションは、クライアント企業のブランドや商品が、求めている方々のもとに適切に届くように、そして、そのユーザーの声がどんどん広がってユーザーもクライアントも喜ぶ「win-winの状態をつくる」ということなんですね。
自分が良いと思ったモノがたくさんの人のもとに届き、さらに喜んでもらえるようなプロモーションに自身が携われるのはとても嬉しいですし、BOKURAで働く人にとってのやりがいにも繋がりそうです。
今までにない新しいファンマーケティングで成長を続けるBOKURA
編集部
ファンマーケティングという新しいマーケティング手法ですが、認知度はそれほど高くないのではないでしょうか。それでも、BOKURAさんは現在急速に事業拡大されていますよね?
久木田さん
はい、おかげさまで2015年に設立してから5期までは順調に拡大し、6〜7期は2019年末からの社会情勢の影響で売上が少し落ちましたが、現在の8期目で盛り返しています。現在(2023年3月時点)はメンバーも増え、正社員が約10人、業務委託が30人程度となっています。
来期は4億円の売上を目指し、メンバーも増やしているところです。
ファンマーケティングは正解がないものですが、業務委託のメンバーにも、BOKURAなりの考えや答えを伝えながら、一緒に進めています。
編集部
BOKURAのファンマーケティングは、どの企業も本来目指したい姿だと思うので、これからどんどん広がっていくでしょうね。
働き手の視点で見ても、とてもやりがいのある事業だと思うので、御社のミッションに共感する方はどんどん増えるのではないでしょうか。
ファン1人ひとりに寄り添うファンマーケティングは、BOKURA独自の手法
▲株式会社BOKURAの課題解決策「Active Fan Communication」。6つの支援で「クライアント企業とファンの共創」を目指す
編集部
BOKURAさん以外にもファンマーケティングを事業とする企業はあると思いますが、他社との違いはどのような点でしょうか。
久木田さん
競合他社との違いについては3つあると考えています。1つめの違いは「ファン創りのスタイル」です。他社では、どちらかといえば網を広く仕掛けた上でファンをピックアップする形をとっていますが、BOKURAではファンを一人ひとり見つけて、1対1のコミュニケーションをとっています。
編集部
釣りで例えるなら、投網と天然物一本釣りの違いのようなものでしょうか。
久木田さん
まさにおっしゃる通りです。ファンを一人ひとり見つけるのは時間がかかる泥臭い方法ですが、1対1だからこそ各人のファンレベルや趣味趣向に合わせてコミュニケーションの手法を変えるなど、臨機応変に対応できます。
2つめの違いは、弊社独自に「ファン定義」を設け、それに基づいてアプローチを行っている点です。他社では売上貢献が高い顧客をロイヤルカスタマーとして可視化することが多いようですが、BOKURAではファンを「愛」「知識」「売上」「推奨」の4つの項目で捉え、そこに合わせたアプローチをしています。
例えばベンツが大好きな高校生は、現状では売上に一切貢献しませんが、愛があって知識もあるし、友人に「ベンツかっこいいんだよ」というような話をしますよね。弊社では、そういう方々もファンであると考え、アプローチをしていきます。売上だけでファンを測るのではなく、ブランドや商品に対する愛や知識、周囲への推奨といった熱量も含めて考えている点が、他社との違いであり、強みです。
最後の3つめの違いは、「FANZOU」というファン管理ツールの提供です。これは、ファンの方に関する情報を一括で管理するためのもので、クライアントである企業様に利用していただいています。
久木田さん
一人ひとりのファンの熱量や売上などをスコアリングしたものや、その推移などの詳細な情報を把握できるので、ファンに対してきめ細かな対応ができます。また、月次でファン全体のレポートを出して、全体の進捗を確認することもできます。
編集部
ファン一人ひとりに合わせたアプローチをするという手法は、「この人はどんなことに喜んでくれるだろうか」という“大切な人にプレゼントを贈る時の思考”と似ているのではないかと感じました。
「人を喜ばせること」が好きな人は、とても楽しみながら仕事ができるのではないかと思います。
女性が活躍しやすい柔軟な働き方が可能
編集部
BOKURAのメンバーのみなさんの働き方について教えてください。
久木田さん
BOKURAでは、自由出社(フルリモート可)とフルフレックスタイムを導入しています。通院や子供の送り迎えで中抜けするのは基本的に自由です。ビジネスチャットツール「Slack」を使用し、メンバー同士がそれぞれの状況を把握できるようにしているので、そこで「中抜けします」のような報告だけ入れてもらっています。
編集部
それぞれの状況に応じて、柔軟に対応されているのですね。
久木田さん
そうですね。個人の状況はもちろん、ライフイベントの変化にも柔軟に対応しています。
例えば、初めは時短勤務で働く社員として在籍していたメンバーで、本人のライフスタイルに合わせて、業務委託に変更した人もいます。
元々、子供が3人いることと、オフィスのある東京在住ではないこともあり、「時短勤務ではコミットできる時間が少ない」という状況がありました。そんな中で、本人が「もっと能動的に動きたい」「子育ての隙間時間を仕事に使いたい」という希望を持っていたため、本人の意向を尊重し、時短社員よりも自由度の高い働き方ができる業務委託という形を選択することになりました。
今は、子供が帰宅する14時以降は家庭に集中し、夜や朝などに合間を見つけて働いています。
編集部
出産・子育てでキャリアを諦める女性は少なくないと思いますが、BOKURAさんのように柔軟な働き方を選択できるのであれば、多くの女性がライフイベントによる変化を気にせずに働き続けることができそうですね。まさに女性が活躍しやすい職場といえそうです。
女性が自然と活躍できるコミュニケーション力が活かせる仕事
編集部
BOKURAで働くメンバーについて教えてください。「こういうメンバーが多い」のような共通するものはありますか?
久木田さん
現時点では女性の方が多く、正社員の55%、業務委託含むと70%が女性です。実はこれは、弊社が狙って女性を中心に採用しているわけではなく、あくまでも「弊社で活躍してくれそうな人」という観点で採用した結果なんです。
弊社の代表・宍戸とも「女性が多い理由」について話したことがありますが、「女性の方が幅広い人とのコミュニケーションを好んだり、得意とする傾向があるからではないか」という仮説にいたりました。
編集部
そもそも、BOKURAのメイン業務である「人とのコミュニケーション」を得意とするのが女性に多いというわけですね。自分の得意なことを仕事に活かして活躍できると、やりがいにもなりそうです。
久木田さん
そうですね。あとは、会社のエース的存在になっている女性社員がいるのですが、彼女は少し特殊な才能があり、それを存分に業務に活かしています。
彼女は役者として声優の経験や舞台に出演していた経験があり、「憑依」がすごく上手なメンバーです。例えば、クライアント企業の代行業務においては、その企業の一員になったつもりでファンとコミュニケーションを取ることもあるのですが、そのなりきりが凄いのです。
きっとこれまでの役者経験から、クライアント企業様の気持ちをうまく汲み取り、その人を演じるような気持ちで対応しているからだと思います。
編集部
一見、関連のないような過去の経歴が、現在の仕事に役立っているのですね。相手の立場に立って考えることが得意な人や、人と関わることが好きな方が活躍できそうです。
求める人材は、何らかの"ファン"であり能動的な人
編集部
BOKURAにはどのような人がフィットするでしょうか。
久木田さん
ファン心理の理解はどうしても重要になるので、何らかのファンであるという点は大事だと考えています。また、弊社はまだまだベンチャーですので、自分で考え、進めていける能動的な方を求めています。待っていれば全部教えてくれるという環境ではないので、常に誰かの指示を待つような受け身の方ではあまりフィットしないかもしれませんね。
逆に能動的なタイプであれば、とても働きやすい環境だと思います。というのも、BOKURAは「これがやりたい!」ということに対して、あまりNOと言われない社風だからです。
私自身、入社半年くらいで「こんなチームを作りたい」と意見を言って、実際に立ち上がった部署があります。社歴や年齢に関係なく「何かやりたい」「提案したい」という意見をあげれば、積極的に「やってみよう」と言ってくれる会社です。誰の意見でもフラットにとらえ、挑戦を後押ししてくれるので、とても働きやすいと感じています。
▲役職に関係なく社員全員で課題解決に取り組んでいる
編集部
なるほど。自分から発信したり、積極的に周囲の人に質問したりしながら動いていける人が、御社にはフィットしそうですね。ファンマーケティングという業界自体もこれから発展していくということで、未知へのチャレンジにも意欲的な方が良いでしょうか。
久木田さん
その通りです。ファンマーケティングは基本的に決まった答えがないものです。ファンが100人いたら、100通りの正解があると感じています。ですから、一歩深く考える力、答えのないものに対して深く考えて自分なりの答えを出す力が必要だと考えています。
編集部
なるほど。案件ごとに自分なりに考える事ができ、かつ失敗を恐れず新しいことに挑戦していける人材が良いわけですね。
BOKURAから求職者へのメッセージ
▲株式会社BOKURAで執行役員を務める久木田さん
編集部
最後に、この記事を読んでBOKURAさんに興味を持った人へメッセージをお願いします。
久木田さん
私は元々Web広告代理店にいたのですが、予算が潤沢なところでないと広告を配信できなかったり、広告を見てもらうためにコンテンツを邪魔するような位置に配置したり…そういったことが本当にユーザーのためなのか、本当にユーザーに必要な情報が届いているのかと疑問に思っていました。そのモヤモヤがBOKURAに入社して解消されてきていると感じています。
そのため、こういったマーケティングに関するモヤモヤに共感していただける方や、その解決策をBOKURAと一緒に考えていける方と、ぜひ一度お話しさせていただけたら嬉しいと考えております。
編集部
同じ広告が何度も流れてくるというような「ちょっと嫌だな」を変えられるかもしれないファンマーケティングは、手法自体が世の中にも貢献していける将来性のあるものと言えますね。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
■取材協力
株式会社BOKURA:https://bokura.biz/
採用ページ:https://bokura.biz/recruit/