内部登用の女性役員も誕生。フリービット株式会社の「人が育つ」風土

内部登用の女性役員も誕生。フリービット株式会社の「人が育つ」風土

柔軟な働き方や女性活躍に力を入れている企業を紹介していくこの企画。今回はインターネット関連サービスを提供するプライム市場上場企業「フリービット株式会社」をご紹介します。

フリービット株式会社とは?

フリービット株式会社のオフィスエントランス

フリービット株式会社は、Web3時代における5Gインフラ支援事業、5G生活様式支援事業、企業・クリエイター 5G DX支援事業などを手掛ける企業です。

代表取締役社長CEO兼CTOの石田宏樹さんは、大学在学時にインターネット関連コンテンツ制作およびコンサルティングを手掛ける有限会社リセットを設立。三菱電機グループのプロバイダサービス「ドリーム・トレイン・インターネット」設立に携わったのち、インターネットの可能性を切り拓くための新しい事業展開を目指し、2000年にフリービット株式会社を設立しました。

フリービット株式会社は国内・海外を含め60件以上の特許を取得し、モバイル革命、生産革命、生活革命の3分野でインターネット・通信に関わる基幹部分を提供しています。

会社名 フリービット株式会社
住所 東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー
事業内容 ・インターネット接続事業者へのインフラ等提供事業
・MVNE事業、MVNO事業及びクラウド事業
・インターネットビジネスに関するコンサルティング事業
設立 2000年5月1日
公式ページ https://freebit.com/
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)、フレックスタイム制度

今回は、「毎日発明する会社」を掲げ、市場をリードするフリービット株式会社の働き方や女性活躍の現状について、同社初の女性役員である取締役の和田さんに伺いました。

本日お話を伺った方
フリービット株式会社取締役の和田育子さん

フリービット株式会社
グループ経営企画本部
取締役CSO兼本部長

和田 育子さん

特許技術を基にインターネットインフラを提供

フリービット株式会社のロゴ

編集部

はじめに、フリービットの企業理念や、企業ロゴに書かれている「毎日、発明する会社」のメッセージについて教えてください。

和田さん

フリービットは「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」を理念に掲げています。インターネットは今や社会インフラです。フリービットは自分たちの利益を追求するだけではなく、インターネットを広げることで社会に貢献する企業でありたいと考えています。

また、「毎日、発明する会社」には、「ゼロから新たなものを生み出す」というコーポレートメッセージを込めています。

編集部

理念を実現するための中期経営計画も、ホームページで拝見しました。フリービットの現在の事業内容について、強みなどを交えてご紹介いただけますか?

和田さん

フリービットはインターネット通信のインフラのサービスを提供しています。強みとしては多数の特許技術を持っていること、また様々なサービスを構成していく上でのコンポーネント(※)を持っていることです。コンポーネントを組み合わせることによって、通信サービスからさらに上のレイヤーのサービスまで幅広く提供できるのが強みです。
(※)コンポーネント:ソフトウエアやシステムを構築する部品や要素のこと

編集部

社内の研究開発部門では、社長の石田さんをはじめメンバーが研究開発に取り組んでいるそうですね。例えばどのような特許技術があるのでしょうか?

和田さん

Emotion Link(エモーションリンク)というあらゆる情報機器をインターネットにつなぎ、安全・安心な通信を実現するネットワーク・ソリューションの技術を持っています。情報機器だけでなく、アプリに組み込んで利用することもでき、アプリ専用のネットワーク構築もできるのが特徴です。

これまでのネットワークには柔軟性や拡張性の面で様々な制約がありましたが、Emotion Linkを使えば端末同士がより自由に安全につながることができます。

■フリービット社の中期経営計画『SiLK VISION2024』についてはこちら
https://freebit.com/ir/individual_midterm.html

■Emotion Linkのコンセプトや技術的特長についてはこちら
https://freebit.com/profile/advantage.html

フレックス制度を使い、朝8時からの就業や中抜けも可

フリービット株式会社のオフィス内観
▲ユニークなオフィス内観

編集部

早速ですが、社員の働き方について伺います。男女比では女性が約4割で、30代~40代の方も多いとホームページで拝見しました。また、ライフイベントと両立しやすい働き方の制度などもあれば教えてください。

和田さん

リモートワークと出社を併用した、ハイブリッド型のワークスタイルです。また最近、フレックスタイム制も導入しましたので、社員はこれらを活用しつつ柔軟に働いています。

編集部

ライフステージの変化がある世代の社員は、制度をどのように活用され、どんな働き方をしていらっしゃいますか?

和田さん

お子さんが保育園に通っている場合、16時や17時台に迎えに行く必要があったり、保育園から呼び出し電話がかかってきた場合は迎えに行かなければいけなかったりします。これまではそういう時に休みを取らざるを得なかったのですが、今はフレックスタイム制度を使って中抜けをしたり、お子さんが寝た後にまた仕事をしたりという働き方をしています。

編集部

制度をうまく活用しながら両立されているのですね。

和田さん

子育て中は何かあったときのことを考えると、会社も働いている本人も、業務にここまでコミットしてほしい、コミットしますと、お互いに踏み込みづらい部分があったと思います。制度をうまく活用することで時間の融通を効かせ、キャリアアップにもつなげてもらいたいと思っています。

編集部

フレックスタイム制度で、コアタイムは決まっていますか?

和田さん

はい。コアタイムは10時~15時で、始業や終業の時間は8時から22時までの間でとなっています。

編集部

夜10時までというのは、子育て中の方にとっては寝かしつけた後にも対応ができ、ありがたいかもしれませんね。

和田さん

そうですね。お子さんが寝た後の時間を活用したいという人もいれば、逆に夜はお子さんと一緒に早く寝て、その代わり、早朝から活動するという人もいます。朝の方が頭もさえているので、仕事の効率が上がるそうです。そういったことを考えると、私は始業時間を早くしても良いのではと思っていますが、その点は運用状況を見ながら柔軟に対応したいと考えています。

有休を3日取得すると2日追加される「リフレッシュ休暇制度」

カラフルな椅子が並ぶフリービット株式会社のオフィス内観

編集部

制度を導入した後も、社員の使い方を見ながら柔軟に変えていこうとされているのですね。他にもワークライフバランスのための独自制度があれば教えてください。

和田さん

特徴的なのは、入社1年以上の社員なら誰でも使える「リフレッシュ休暇制度」です。これは、有給休暇を3日間連続して取得申請すると、会社から追加で2日間の特別休暇が付与され、連続で5日間、土日を含めると1週間お休みができる制度です。年に何回までという使用回数の制限もありません。

編集部

1週間のお休みを制限なくですか!ありがたい制度ですね。実際に取得される方は多いのですか?

和田さん

はい。気軽に長期的なお休みが取りやすく、コロナ禍前は結構、海外旅行に行く人が多かったです。弊社は夏季休暇が4日あるので、夏季休暇とリフレッシュ休暇をあわせて11日間の連続休暇を取って、結婚式を挙げる人もいましたよ。

編集部

制度が「数年に一度使える」といった特別なものではなく、日常的に使えるものになっていることで、社員のワークライフバランスに貢献しているのですね。

ジョブ型雇用の考え方を取り入れ、職種別の報酬体系を整備

フリービット株式会社の和田さんと女性社員

編集部

働き方に続いて、フリービットの人事制度での最近の取り組みがあれば教えてください。

和田さん

人事制度の改定を行い、エンジニア、営業、企画などの職種によって報酬体系を分けるようにしました。今は日本でもよく耳にするようになったジョブ型雇用の考え方を取り入れ、役割やジョブグレードに合わせて報酬を変えています。

求人市場においてエンジニアが重宝される時代にはエンジニアの報酬を高くするなど、市況によって、柔軟に変えていけるのはIT業界の強みだと思っています。

編集部

職種だけでなくグレード別に目標や報酬が設定されたことで、評価がより明確になり、チャレンジもしやすくなったのですね。

和田さん

その通りです。これにより、やりがいを高めることにつながったり、希望等級に上がるために必要なことが明確になったりします。外資系企業に似ていると言えるかもしれません。

役員1名、部長2名。女性管理職候補も育っている

フリービット株式会社の和田さんと話す女性社員
▲取材にご対応いただいた和田さん。「女性リーダーが育ってきている」とお話しいただいた

編集部

ここからはフリービットでの女性活躍についてお聞きします。先ほど、育児と両立する社員さんのお話を伺いましたが、女性で管理職に就く方も増えてきているのでしょうか?

和田さん

2023年8月現在、部長クラスでは、2名の女性管理職がいます。しかし、正直に申し上げると、まだ過渡期だと思っています。現在、部長を務める2名の女性は、1人は内部監査室長、もう1人は経理部長で、バックオフィス系の業務です。事業会社ですので、これからは、営業やマーケティングなどフロント業務での女性リーダーが増えればと思っています。

編集部

管理職候補の方は育ってきていると感じますか?

和田さん

はい。主任クラスや、もうじき課長を目指せそうな女性社員はいますね。

編集部

女性リーダーを育成するためのサポートなどは行われていますか?

和田さん

女性に限らずですが、会社としては1人でも多くの社員が「管理職をやってみよう」というモチベーションを醸成できるような環境を準備しています。

また、周りのサポートも、いわゆる縦のラインというよりは、横からのサポートという形で、メンター制度を導入して効果検証をしています。メンターが伴走しながら、さまざまな選択をする上での判断材料を提供しているところです。

編集部

まだ過渡期ということですが、今後、女性活躍推進においてどのような目標を掲げていらっしゃいますか?

和田さん

全社員に占める女性比率が約4割なのに対し、女性管理職比率は15%弱です。将来的にはこれを女性比率と同程度となるように引き上げるのが目標です。また、もう少し目線を高くし、管理職に留まらず、役員まで目指す人が出てくればいいなと思っています。役員は現在、私1人しか女性はいませんので。

編集部

内部から育成していくことを目指していらっしゃるのですね。

和田さん

はい。ぜひとも内部から育成したいと思い、育成プログラムを考えているところです。

プレイヤーとして入社し11年目。取締役和田さんのキャリア

フリービット株式会社取締役の和田さん

編集部

和田さんが役員に就かれていることが、女性活躍の1つの道を示していらっしゃると思います。和田さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?

和田さん

大学は理系の専攻で、社会人はメーカーの商品開発からスタートしました。その後、ベンチャー企業数社で企画をやったりIRをやったりしたことをきっかけに、バックオフィス全般のマネジメントにキャリアをシフトしました。フリービットには2012年に経営企画として入社し、現在、11年目です。

編集部

前職でIRやバックオフィスのマネジメント経験があり、そのキャリアをフリービットさんで伸ばされたのですね。

和田さん

はい。フリービットでは役職なしのプレイヤーからスタートし、2020年に役員に任命されました。「トーンモバイル」という個人向けスマートフォン事業の立ち上げに伴う組織変更で、管理本部長のポストに私が就き、その後、弊社が東証マザーズから東証一部に指定替えを行う際にプロジェクト責任者を務めたことなどが評価されて、役員に任命されました。

編集部

管理本部長に就かれたことがきっかけで、今のキャリアが導かれたのですね。

和田さん

はい。要所の会社としてのイベントの際に、ある程度自分からチャンスをつかみにいったところはあります。手前みそかもしれませんが、それが結果として今のポジションにつながったと思っています。会社の中で自分が女性であるということは実はあまり意識したことがなく、女性だから特別な発言をすることもほぼありませんでした。

編集部

和田さんは主体的にチャンスをつかみ、実績を出されたのですね。フリービットでは、性別や年齢に関わらず、実力次第で管理職や役員になれることが伺えます。

「自分がどうしたいか」を考え、主体的に行動してほしい

女性社員と話すフリービット株式会社の和田さん

編集部

和田さんがマネジメントしている中で、現場の社員さんたちによく伝えていることはありますか?

和田さん

主体的に仕事に取り組んでほしいということです。まずは、自分はどうしたいのか、自分だったらどうするのか、ということを常日頃意識しながら仕事に取り組んでほしいです。だから、会話をする中でも、「あなたはどうしたいの?」とよく伝えています。

編集部

先ほど伺った女性リーダーの育成においても、同じように問いかけをされるのでしょうか。

和田さん

そうですね。私の部門にも、30代後半~40代の子育て中の女性はたくさんいます。彼女たちはキャリアにブレーキはかけずとも、心のどこかで躊躇してしまうところはあるのではないかと思い、「あなたはどうしたいの?」ということは自然な流れでよく聞きますね。

編集部

子育てなどライフステージや働き方の変化があると、「キャリアにおいて自分がどうしたいか」を考えることが少なくなるかもしれません。

和田さん

そうなんですよね。特に女性の場合、「会社に決めてほしい」という人も多いのですが、まずは自分がどうありたいかを伝えてほしいです。そして、「私の答えはAです。以上です」と1つに決めるのではなく、「プランA、B、C、Dがありますが、こういう理由だから私はA案が良いと思います」と選択肢と論拠を伝えてほしいです。これはキャリアに限らず、仕事の進め方についても同じです。

編集部

最終的には会社が決めるとしても、決めるために必要な判断材料は用意してもらいたいということですね。

和田さん

はい。答えは一つではないので、あらゆる方向性から物事を考えて結論付ける、そのプロセスが大事だと伝えています。

リーダー候補となる意欲的な男女を募集

フリービット株式会社の和田さん

編集部

ここからは、採用に関連してお伺いします。この記事を読んでフリービットに興味を持った方に向けて、メッセージをいただけますか?

和田さん

チャレンジ精神を持った方に、ぜひ来ていただきたいです。また、女性が活躍しやすい環境は整えているつもりですので、環境を最大限活用しながらリーダーになっていこうという意欲的な方が来てくださると嬉しいです。自らチャンスをつかみに来るくらいの方がいいですね。

編集部

面接などで重視していることはありますか?

和田さん

フリービットの理念への共感は重視しています。技術に対する専門性がなかったとしても、理念をもとにした経営計画に賛同し、それを着実に実行しようという共通のベクトルがあれば、活躍してもらえると思います。

編集部

理念への共感は、対話を通して確認されるのですか?

和田さん

そうですね。共感するだけでなく、本質的にわかってもらえている人でないと難しいと思います。そこで、私たちはあらゆる角度から様々な問いかけをして、具体的なご自身の考えをちゃんと持っているかを確認していきます。

社内は風通しがよく、変化を受け入れるカルチャーがある

オフィスでロゴの前に立つフリービット株式会社の和田さん

編集部

最後に、和田さんが感じるフリービットの社風を教えていただけますか?

和田さん

風通しがいい環境です。フロアもフラットな配置で座っているので、ふらっと席に来てカジュアルに話ができる雰囲気です。服装もTPOを守っていればOKで、みんな、独自のファッションスタイルで仕事していますよ。

編集部

ホームページの社員インタビュー記事で、「新しい意見を取り入れる」「若手でも新規事業に関われる環境がある」という声を拝見しましたので、風通しの良さ、新しいものや変化を受け入れるカルチャーがあるのだなと感じました。

和田さん

その通りですね。社員はあらゆるデジタルツールを活用してコミュニケーションを取っていますし、生成AIを使った業務効率化なども取り入れていきます。

編集部

和田さん、本日はありがとうございました!

フリービットでは多様な人材を育成するとともに、社員が定着できる環境づくりに取り組まれていることがわかりました。年齢や性別に関わらずリーダーを目指したい方は、ぜひフリービットの採用サイトなどをご覧ください。

■取材協力
フリービット株式会社:https://freebit.com/
採用ページ:https://freebit.com/recruit/newgrad/