新しい働き方や多様な福利厚生を推奨している企業を取材していくこの企画。今回は「時間革命で体感寿命を延ばす」をミッションに掲げ、経理業務のDX(※)を実現する支出管理クラウド『TOKIUM』を提供している株式会社TOKIUMさんにお話を伺いました。
(※)デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル技術を社会に浸透させて人々の生活をより良いものへと変革することを指す。
株式会社TOKIUMとは
▲株式会社TOKIUMでは「時間革命で体感寿命を延ばす」というミッションを掲げている(公式サイトから引用)
株式会社TOKIUMは「時間革命で人類の体感寿命を延ばしたい」という想いにより、2012年に創業された会社です。無駄な時間の削減によって、企業や個人の豊かな時間を創ることを目標にした経理業務プロダクトを提供しています。
主要なプロダクトはTOKIUM経費精算、TOKIUMインボイス、TOKIUM電子帳簿保存の3つです。テクノロジーと人力でのオペレーションを融合させていることがTOKIUMの強みとなっており、テクノロジーだけでは到達できないユーザー体験を実現しています。
会社名 | 株式会社TOKIUM |
---|---|
住所 | 東京都中央区銀座6丁目18-2野村不動産銀座ビル12階 |
事業内容 | 法人の支出にまつわる経理業務のDXを実現する支出管理クラウド「TOKIUM」を中心に、インボイス・経費精算・電子帳簿保存を主力とした複数のプロダクトを提供。 |
設立 | 2012年6月 |
公式ページ | https://www.keihi.com/ |
今回は、コーポレートカルチャー部の部長である西山希さん、マーケティング部広報PR担当の永禮啓大さんと島袋朱梨さんにインタビューさせていただきました。注目の成長企業であるTOKIUMのカルチャーや若手社員たちが活躍できている背景についてお聞きしています。
マンパワーも時間もかかる経理業務から解放されるプロダクト
編集部
株式会社TOKIUMさんの事業内容について教えてもらえますか?
島袋さん
弊社は法人向けの支出管理クラウド『TOKIUM』を提供しています。2016年に経費精算システムのサービス『TOKIUM経費精算』をスタートし、2020年には請求書受領クラウド『TOKIUMインボイス』の提供を開始しました。さらに2022年1月には電子帳簿保存法に対応したサービスも始まり、現在はこの3つが主要なプロダクトとなっています。
『TOKIUMインボイス』について具体的に説明しますと、企業ごとに紙やメールなど様々な形式での請求書が届くと思いますが、それらを代行して受け取るサービスです。それをさらにTOKIUMの方でクラウドにデータ化するので、クラウド上で申請や承認が可能になります。結果、もうオフィスに出社せずともリモートワークで受け取りやファイリングが対応できるので、導入した企業ではそれらの作業が不要になります。
編集部
お客様はどういった企業の方が多いのでしょうか。
島袋さん
業種は本当に多岐にわたりますね。体感としては、請求書や領収書の枚数が多い大きな企業様、また飲食店など複数の店舗があるような企業様などから、特にご好評をいただいています。
編集部
TOKIUMさん側での実務作業は、すべて自動化されているのですか?
島袋さん
いえ。TOKIUMインボイスについては、弊社にはオペレーターが2,000人ほどおり、受け取りやデータ化も基本的に人力で対応しています。受け取った請求書も、法律に対応した年数をしっかりと保管しているのでご安心いただけるシステムになっています。
また、TOKIUM経費精算の方も、同様の仕組みです。こちらはお客様の方で領収書やレシートをスマホで撮影してもらいますが、データはクラウド上にアップするので、手間がかかる経費精算の糊付けなどの作業が不要になります。
編集部
ペーパーレス化やDX化の業務支援によって、経理に携わる人たちの手間やタイムコストを削減できるというプロダクトなのですね。
導入社数1,200社以上の実績を支える、DNA的強みとは
編集部
TOKIUMさんは、導入社数累計が1,200社(※)を超える凄い実績を今も伸ばしています。競合他社と比較した時の強みはどこにあると思いますか?
(※)2023年2月末時点
島袋さん
TOKIUMではデータ化の際にベリファイ方式を採用しています。これは1人目のオペレーターが入力したデータをベースに2人目のオペレーターが同じものを入力し、ミスがないか確認し合う方法なのですが、やはり AIOCR(※)だけですと、精度が担保できないところがあるんですよ。人の力を使ってこそ高い精度を保つことができるんです。
(※)文字の読み取り技術であるOCR技術とAI技術を組み合わせて開発されたシステム。読み取った文字の確認業務が大幅に簡略化できる。
もう1点挙げるとすれば、先にも少し述べたように、TOKIUMは受け取りの代行まで行っているところでしょうか。請求書が紙であったり、PDFなどの多様なデータ形式だったり、メールを開いてパスワードを解除が必要なものまで、TOKIUMが受け取りの代行をしています。面倒な作業もオペレーターが対応しているため、お客様はどんな形式の請求書でも気にする必要がないというのが、大きな利点ではないかと思います。
西山さん
私は、TOKIUMの会社全体に「この課題はどこまで解決すべきなのか」と、課題をどんどん深堀りして考える空気があるように思います。特に代表の黒崎はお客様にヒアリングしていく中で「本当にお客様の痛みを解消できているのだろうか」と自問自答を何度も繰り返しては、新しいやり方にチャレンジしているんですよ。
システムで簡単に解決できるもので満足してはならない、お客様の本質的な痛みはどうしても残り続ける、そういったことを強く自覚をした上でサービスを展開するという基本姿勢がTOKIUMにはあるんです。これこそが、TOKIUMに受け継がれるDNA的な強みではないかと感じていますね。
若手社員の活躍と成長を支える「イネーブリング」
編集部
TOKIUMさんでは、若手社員の活躍が目覚ましいそうですね。社員育成において、どういったところに力を入れているのでしょうか?
西山さん
新卒採用にはかなり力を入れていると自負しております。かれこれ4~5年にわたって毎年10名以上新卒採用で入社しているんですよ。ざっくり言うと中途と新卒の割合が2対1ぐらいですね。毎年新たに新卒の仲間を迎えることが組織の大前提となっています。
その中でも特筆すべきは、まずは現場に出て打席に立つ中で学ぶというOJT的な発想が極めて強い会社であることでしょうか。入社して2~3ヶ月のタイミングで、初めて自分自身の案件を持って試行錯誤しながら進めていく形をとっています。
編集部
そこに先輩や上司からのフォローやアドバイスはあるのでしょうか?
西山さん
TOKIUMには新入社員の育成を担当する、「イネーブリング」と呼ばれる先輩社員がいます。もともとは「導いて支える」といったニュアンスの言葉なのですが、TOKIUMの組織においては「メンバーの成長を後ろから支えながらしっかりとリードしていく」といった補助輪のような役割を担っています。その人たちと力を合わせながら現場で学び、二人三脚で早く結果を出せるようにフィードバックするという育成法になっています。
若手の育成体制が整ったことで会社も急激な成長を遂げた
編集部
若手社員でも管理職に就いたなどの実績はありますか?
西山さん
入社6年目になる営業部の上原は、一昨年、部長に就任しました。入社4~5年で20名程度の部下を持つリーダーになったということです。また、営業部の後工程を司るカスタマーサクセス部の部長である田中も、新卒で入社してちょうど丸4年になったところです。彼女も2年ほど前に就任しているので、入社から2年前後で部長職を務めた例になります。
編集部
20代後半でもう既に部長として活躍してる方が複数いらっしゃるわけですね。
西山さん
そうですね。ただその頃は新卒の受け入れの経験値もなく、指針が何もない中でもがきながらやっていたため、今とは置かれていた状況はかなり違うんです。
実際にTOKIUMが急成長を遂げたのは、ここ2~3年の期間でのことなんです。現在の社員数は年間40~50%ぐらいのペースで増加しています。
編集部
組織の体制としてOJTの形が整ったタイミングで、企業自体も拡大していったという流れなのですね。
バリューを基軸にした充実した制度の数々
▲株式会社TOKIUMのバリュー(公式サイトから引用)
編集部
TOKIUMさんには様々な充実した制度があると伺っておりますが、どのようなものがあるのでしょうか?
西山さん
TOKIUMでは「Customer Success」「Move Fast」「Teamwork」という3つのバリューを定めており、その価値観を一人ひとりが大事にして日々行動するという考え方をしています。バリューのいずれかを発揮して活躍した、または助けられたなどをお互いに言葉で伝え合いながら、改めてバリューを大切にする意義を考えられるようにという取り組みの中でできたのが、「マイバリュー賞」ですね。
マイバリュー賞は全社で行っている朝会で、名簿順で一人ひとりが「私は△△部の〇〇さんにマイバリュー賞を贈りたいと思います」と発表している賞になります。また四半期に一度、全社で表彰している「くまMVP」も、バリューを発揮した一面が色濃い活躍を強く意識して表彰するものになっています。
他にも「RECOG」という、バリューを発揮した人の活躍を称え、感謝の気持ちを表現するミニレターを送り合う社内ツールもあります。ここでは毎日のように誰かから誰かへ感謝の言葉や活躍への祝福が送られていますね。
編集部
TOKIUMさんの社員の皆さんにとって、バリューはとても大きな存在なのですね。
西山さん
現在のバリューは2018年頃に設定されたものなのですが、組織が徐々に拡大をしていく中、一人ひとりの価値観や持っているバックグラウンドの違いが明確になってきました。そうすると統一的な価値基準で判断をしたり、みんなで納得をして物事を進めていくことが難しくなり始めたんです。そこで共通の価値観として、社員の拠り所となるようなバリューを設定しました。
こういった動きは他社でも行われていると思うのですが、実際は絵に描いた餅のような形になってしまうことが多々あるんですよね。宣言はしていても浸透はしていないというのもよくある話です。どうすればバリューを社員たちが意識したり馴染んだりできる存在にできるのか、これが前提だからこそ数々の制度が生まれたのだと思います。
バリューを浸透させるための努力
編集部
他にも「バリューワークショップ」が開催されているとお聞きしました。
西山さん
こちらは四半期に一度、開催しています。全社員が原則的には参加必須となっており、90分間でケーススタディを通じて、バリューについてディスカッションする取り組みになっています。
これは良い、これは悪いという個人の意見も大切ではありますが、ここでみんなで意識すべきなのは「バリューを用いて考えましょう」ということなんですね。例えばケーススタディにおけるAさんの振る舞いは、チームワークの観点からすると果たして本当に良かったのだろうか、それとも他にもう少しやりようがあったのだろうかとかなどと、バリューに照らしてケースを評価していきます。
時には業務上で、意見の衝突や部署をまたいだディスカッションも必要になります。バリューワークショップは、そういったときに個人の価値観のぶつけ合いではなく、会社にとっての本当に良い意思決定をするための日常的なある種の訓練なんです。
編集部
バリューを浸透させるために施策を通じて努力なさってるわけですね。
西山さん
どうすれば押し付けがましくなく、かつ社員たちが楽しんで自発的にやりたいと思えるかを、常々考えながら施策を続けています。その中で新たに発足した「シャッフルランチ」についてもお話しますね。今の社員たちの出社頻度は原則週4なのですが、せっかく出社するなら、もっと社員同士の親睦を深めてもいいのではというところから始まった制度です。
1人当たりの予算は2,000円で月2回開催、全社員がランダムにシャッフルされ、4人組で食事に行っています。TOKIUMのオフィスは東銀座にあるのですが、割り当てられたメンバーで相談しながらお店を決めてもらっています。この交流を通じて、一緒に同じ場所で働くことの価値も高められたらと思います。
来客の方々も肌で感じるあたたかみのある社内ムード
編集部
TOKIUMさんの会社全体の雰囲気もお伺いできればと思います。
西山さん
新卒採用で内定した学生さんがオフィスに来て、初めてTOKIUMのオフィスを見たときにどんな言葉をもらえているかな、と思い返してみました。そうしたら、「あたたかみのある雰囲気を本当に肌で感じました」と言われることがすごく多いんですよ。これはとても嬉しいことだと思っています。
編集部
急激に社員数も増加しているのに「あたたかみのある」というのは、なかなか稀有な雰囲気ですよね。
西山さん
具体的には「自然と社員の方々が挨拶をしてくれた」と聞いたことがあります。また、社内のメンバーからも「お水をこぼして困っているところに、すぐにティッシュを持ってきてくれた」「重い水を運んでいたら『持ちますよ』と、ササっと駆け寄ってくれた」などの話を耳にしています。
業務で直接やり取りしないメンバー同士でも、自然と助けあったり声を掛け合ったりできるというのは、TOKIUMのとても特徴的な部分でしょうね。
編集部
バリューの中の「Teamwork、仲間へのホスピタリティ」がすっかり浸透している良い例だと感じるお話でした。
西山さん
TOKIUMは事業としても、チームワークが求められる体制になっているんです。まずマーケティング部がお客様からの関心をしっかりと引き付けて、興味を持ってもらえたらインサイドセールスのチームから商談の提案をして、フィールドセールスの営業部が実際に商談に挑んで、商談が成立したらカスタマーサクセスのチームでフォローアップをして成功に導いていく、そんなビジネスサイドのバトンパスをしていく形が、横の繋がりの必要性に関連していると思うんです。
また、自社でサービス開発をしているため、プロダクトのエンジニアも働いているんです。そうするとビジネスサイドの人と「こういう機能を作ってよ」とか「この機能すごく良かったよ」と、日常的なコミュニケーションや要望のすり合わせが発生する。さらに言えば、社内のコーポレート(※)にも現場の声としてシステムの使い勝手の意見を求めることもあります。
(※)管理部門やバックオフィスとも呼ばれており、経理担当はこれにあたる。
ビジネスとプロダクトとコーポレート、それぞれの社員たちが業務上コミュニケーションをとることは非常に理にかなっているんです。ただ仲がいいだけではなく、業務面でもしっかりと連携しながら、楽しんで一体となって事業を推進している。そういう背景の必要性が新入社員たちにも正しく伝わると、会社としてももう一皮剝けられるのではないかと考えています。
編集部
TOKIUMさんのバリューが単にアットホームで仲が良いだけに留まらず、それがサービスの改善、ひいては顧客満足度に繋がることが伝わってきました。
お客様を心から幸せにしたいと考える仲間で溢れる会社を願う
編集部
この記事を見てTOKIUMさんに興味を抱いた人にメッセージをお願いします。
西山さん
TOKIUMでは、採用するにあたって2つの観点を大事にして活動しています。1つは、バリューや社内カルチャーを体現し、今後を担ってもらえるような人に入社してもらいたいということです。心の底からお客様のことをしっかり考え、真摯に向き合ってホスピタリティを発揮したい、あるいはスピード感を持って事業を推進したい、また周囲の人を大切にして事業に取り組みたい、そんな方にぜひ仲間になって欲しいと強く思っています。
そしてもう1つ伝えておきたいことがあります。それは、あたたかみのある会社や人間関係が良くて働きやすい会社というと、ときに緩いといったニュアンスで伝わってしまう事もありますが、TOKIUMは事業に本気で取り組んでいる会社であるということです。我々はやはり事業を成功に導くために集まった仲間であることも忘れてはなりません。TOKIUMがお客様を本当に心から幸せにしたいと思う仲間で溢れることを何よりも願っています。
島袋さん
私はTOKIUMに入社して2社目になるのですが、本当に皆さん人柄が良い人ばかりです。最終面接で人事の方や代表とお話ししたときも、すごく人間性を重視しているのだと感じました。私もバリューの体現を一緒に目指せる仲間と共に働きたいと思っています。
永禮さん
私は新卒から数えるとTOKIUMで4社目になるので、これまでいろんな会社で働いてきましたが、やっぱり島袋が言ったように、本当に人柄がいい、仲の良い会社だと思いますので、みんなで力を合わせて目標を達成していきたいと思う方は非常にオススメです。あとはやはり、こういうことを成し遂げたい、こういうことにチャレンジしてみたい、そういったマインドを持っている方がフィットするのではないかと思います。
最後に、TOKIUMは社員が本当にすごい勢いで増えていて、事業もどんどん伸びている最中です。一緒に働いてくれる仲間、絶賛募集中です。
編集部
若手社員の活躍ができる土壌をつくることで、大きな成長を遂げた注目企業・TOKIUMさん。TOKIUMさんが大切にする3つのバリューに共感できる方はぜひ応募してみてはいかがでしょうか。本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社TOKIUM:https://www.keihi.com/
採用ページ:https://www.keihi.com/company/recruit/