女性活躍推進のパイオニア「株式会社オカモトヤ」の組織改革とフェムテック新規事業での挑戦

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社オカモトヤにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

株式会社オカモトヤは、法人向けオフィス構築サービスを提供するオフィス総合商社です。「働くひとのミカタ」をパーパスに掲げ、社員一人ひとりが働きやすい環境作りに注力している同社。2024年1月にリニューアルした新オフィス「palette(パレット)」が、日経ニューオフィス賞を受賞したことでも話題を呼びました。

近年は女性活躍推進にも力を入れており、2022年には性差による働きにくさの解消を目指す新規事業「Fellne(フェルネ)」を立ち上げ。また、育児との両立支援や柔軟な働き方制度の整備など、従業員のワークライフバランスの実現をサポートしています。

今回は、同社の女性活躍の取り組みや、働きやすい環境づくりに向けた制度、そして新オフィスの特徴などについて、総務グループの三輪さんと野上さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社オカモトヤ管理部総務Gの三輪さん

株式会社オカモトヤ
管理部 総務G グループ長

三輪恒朗さん

株式会社オカモトヤ管理部総務Gの野上さん

株式会社オカモトヤ
管理部 総務G

野上柚香さん

「オカモトヤ」が実現する、女性が活躍できる働き方改革

株式会社オカモトヤのオフィス設備

編集部

まずはじめに、御社の女性活躍についてお聞かせください。

三輪さん

オカモトヤは、社員約140名のうち約3割が女性です。特に新卒営業職の募集では女性の採用を積極的に進めており、最近では中途採用でも女性の方からの応募が多くなっています。

編集部

女性の応募が増加しているのはなぜなのでしょう?

三輪さん

オフィス環境の良さに加えて、ワークライフバランスを重視している点に注目していただいているようです。営業職でも休暇を取りやすい環境を整えていますし、長時間労働をせずにすむような配慮もしていますから。

編集部

女性の管理職への登用状況はいかがでしょうか。

三輪さん

役員に女性が1名、グループ長(課長)として女性が2名在籍しています。また、営業部門でもリーダー職として複数の女性が活躍しています。弊社では「女性だから」「男性だから」と性別にこだわるのではなく実力や適性に応じた登用を行っているので、今後も女性管理職は増えていくのではと思います。

編集部

理想のキャリアを相談したり実現したりもしやすいのでしょうか?

野上さん

そうですね。女性のキャリアについては、女性社員を対象に外部講師による研修を実施しています。また年に1回、全社員に対して役員と面談する機会を設けており、異動の希望や自身のキャリア像をヒアリングしてもらえるんです。

この面談結果をもとに部署異動が叶って理想の働き方を実現できた社員が何人もいます。こういった取組みも、長く働いてもらえる秘訣なのではないかと思います。

女性が快適に働ける環境づくりを目指す新規事業「Fellne(フェルネ)」

株式会社オカモトヤのオフィス

編集部

オカモトヤは社長も女性の方だと思いますが、女性活躍の裏にはそういったことも影響しているのでしょうか?

野上さん

そうですね。2022年に立ち上げた新事業「Fellne(フェルネ)」は、女性社長就任後の新しい取り組みのひとつです。発起人は社長の鈴木で、立ち上げとともに企画マーケティング部を新設し、社内公募で人材を募集しました。

現在この部署には、女性5名、男性1名が営業や事務など他部署との兼任で所属しています。6名のメンバーを中心にFellneの商品やサービスの企画開発を行い、営業と連携してお客様に提供するといった流れになります。

編集部

Fellneのサービス内容について教えてください。

野上さん

Fellneは、女性活躍推進やフェムテックなど女性のQOL向上につながる取組み、つまり「フェムアクション」を増やすことに挑戦する事業です。月経カップや吸水ショーツなどフェムテック関連商品の仕入れ・販売や、フェムアクション製品の自社企画などを通して、どのような立場の方でも快適に働ける環境づくりのための製品・サービスを提供しています。

編集部

自社で企画された商品はどのようなものがあるのでしょうか。

野上さん

たとえば、「レディース用災害キット」があります。これは生理用品や夜用ショーツなど従来の防災備蓄品には含まれていない衛生用品が入ったキットで、従業員数やスペースに合わせて選べる「3days BOX」「1day SlimBOX」「ミニマムキット」の3タイプを販売しております。

デスクなど置いておくスペースが限られている方もいるかと思いますが、1dayは薄さわずか2cmで書類の間にも保管できますし、ミニマムキットは常に持ち歩けるようなサイズなので、働く女性のお守りとしてご活用いただけます。

■「レディース用災害キット」の詳細はこちらから!(Fellne公式サイト)
https://fellne.net/project/#ladies-kit

野上さん

また、「オールジェンダートイレ」のプロジェクトも進めています。こちらは入口と出口が分かれた一方通行型のため次に入る人と顔を合わせる必要がなく、体調に合わせて体のメンテナンスもできるような内容を提案しています。

■「オールジェンダートイレ」の詳細はこちらから!(Fellne公式サイト)
https://fellne.net/project/#all-gender-toilet

野上さん

弊社の新規事業であるFellneは、女性はもちろんのこと、すべての人に対して性差による働きにくさの解消を実現するためのものです。

社長をはじめ女性社員の声を積極的に取り入れたこのプロジェクトで女性活躍推進の輪を広げ、より良い社会にすることを目指しているんです。おかげさまで、現在は90社以上の様々な業種の企業さまに導入いただいております。(取材時:2024年11月)

育休復職率100%!ワークライフバランスを徹底追求

株式会社オカモトヤでパソコンに向かう社員たち

編集部

ワークライフバランスに関する制度についてお聞かせください。

野上さん

まず、産休育休の取得率は100%を維持しています。最近では、男性の育児休暇も積極的に推進しており、今年に入ってから3人ほどの男性社員が1〜2ヶ月の育休を取得しました。子どもが小学校に入るまでは時短勤務もできるので、共働きで保育園に通わせている社員の多くが育休明けからこの制度を利用します。

また、小学生以下の子どもがいる社員には看護休暇が付与されます。これは子どもの体調不良時の通院などに利用でき、子ども1人につき7日間、2人以上の場合はさらに日数が追加されます。

編集部

在宅勤務や時差出勤についてはいかがでしょうか。

野上さん

どちらも男女・子どもの有無に限らず全社員が利用可能です。在宅勤務は週2回まで、時差出勤は8時出社、9時出社、10時出社の3パターンから選択できます。

編集部

有給消化率はどれくらいですか?

野上さん

法律で定められている5日間の有休取得は当然100%取得しており、連続で取得してもらう方法をとっています。平均利用日数は約10日と、卸売業・小売業の平均8.7日(※)より多めにとれています。
(※)厚生労働省「令和4年就労条件総合調査の概況」の労働者1人平均年次有給休暇の取得状況より

取得できない社員がいた場合は上司にペナルティが課されますし、事前に申請された日にきちんと休みを取得しているか、私たち総務が毎月チェックして管理職以上に回覧もしています。

編集部

なぜこんなにも柔軟な環境が整っているのでしょうか。

野上さん

やはり社長自身が小学生の子ども2人の子育て中だということが大きいと思います。共働き世代の気持ちをよく理解しているので、柔軟な勤務形態の整備には積極的に取り組んでいるんです。実際に、社員からは「ライフステージが変わっても働きやすい」といった声があり、育休後の復職率はほぼ100%を維持しています。

仕事のON・OFFが緩やかに切り替わる。未来型オフィス「palette」

株式会社オカモトヤの社内

編集部

御社の新オフィス「palette(パレット)」について教えていただけますか?

三輪さん

はい。paletteは、2024年1月に完成した、企業様にもご覧いただける「ライブオフィス」です。仕事スペースと休憩スペースを明確に区切らない設計で、自然とリラックスエリアから仕事モードに切り替わっていくように工夫されています。先進的なオフィス環境が評価され、2024年8月には日経ニューオフィス賞を受賞しました。

移転前は部署ごとにフロアが分かれていましたが、paletteはワンフロアに全ての部署が入っているので、他部署の人の顔を見ながら仕事ができるようになりました。社員からは「社内の連携がよりスムーズになった」という声があり、リラックスエリアでは一緒に食事を取るなど、メリハリのある働き方が実現できています。

野上さん

オフィスは大きく3つのゾーンに分かれています。

一つ目はレセプションエリア。会議室やゴルフシミュレーション設備があります。この「オカモトヤC.C オカモトヤカントリークラブ」は健康経営の一環として設置しており、初心者から上級者まで楽しめるプログラムを備えています。先日、社内の健康経営推進委員会が主催して開催したイベントには35名ほどが参加し、普段話す機会の少ない社員同士のコミュニケーションのきっかけにもなりました。

株式会社オカモトヤ社内にあるゴルフシミュレーション設備
▲オカモトヤカントリークラブ

野上さん

二つ目はメインワークスペース。こちらは執務エリアで、一部の部署を除いて全席フリーアドレス制になっています。テーブル席やソファ席などがあり、仕事の内容や気分に合わせて自由に場所が選べます。

三つ目は、モードチェンジができるゾーン。このエリアには「セルフメンテナンスルーム」が設置されています。この部屋はデバイスの持ち込みが禁止で、仕事から離れて一時的に独りになり、セルフメンテナンスをすることを目的としています。執務時間中、1日2回まで、1回あたり15分間の利用が可能です。

株式会社オカモトヤのセルフメンテナンスルーム
▲モードチェンジゾーンに設置されたセルフメンテナンスルーム

野上さん

「休憩スペース」としてエリアを区切るのではなく、あえてオフィスの中に設置することで、気軽に利用できる環境を整えています。

近くにはアロマディフーザーやストレッチ器具、アイマスクなどを備えた「アメニティバー」もあり、ここに用意されているグッズなども活用してみんな気分転換していますね。

編集部

社内には変わった自販機が設置されていると伺いました。

野上さん

はい、「社長のおごり自販機」というものがあります。社員2人の社員証をタッチすると、1人週1回、1本無料で飲み物が提供されます。コミュニケーションを促進する取り組みの一環として設置しているので、なるべく毎回部署が違う人と利用しましょうと呼びかけています。

編集部

ちなみに、お二人が社内でお気に入りの場所はどこですか?

野上さん

私はセルフメンテナンスルームがあるエリアの近くが好きです。景色がいいので、お昼休みにはここでのんびりしています。

三輪さん

私は東京タワーが一望できる窓際の席が気に入っています。この場所で昼食を食べながら休憩すると、とてもリラックスできますね。

編集部

paletteを訪れたお客様の反応はいかがですか?

三輪さん

オフィスの広々とした空間設計に驚かれる方が多いようです。一人一人のパーソナルスペースが十分に確保されており、一般的なオフィスとは異なる快適な空間を実現しています。

実際に使用している家具や設備も各メーカーの製品をバランスよく配置しており、自社のオフィスづくりの参考にしやすいと好評いただいています。

野上さん

社内の「palette改善委員会」では、定期的にアンケートを実施し社員の意見や要望を収集しています。オフィス移転してもうすぐ1年が経ちますが、よりお客様の参考にしていただくため、また社員のより働きやすい環境づくりに向けて、これからも継続的な改善を行っていく予定です。

未経験でもOK!営業職に興味があればぜひオカモトヤへ

株式会社オカモトヤ管理部総務Gの野上さん(右)とグループ長の三輪さん(左)

編集部

オカモトヤにはどんな社員の方が多いですか?

野上さん

ありきたりな表現になってしまうのですが、優しい人が多いなと感じます。私は10年目になりますが、この印象は入社当時からずっと変わりません。分からないことがあっても質問しやすく、話しかけづらさや無下にされる心配もないんです。

営業会社としてしっかりと仕事をしながらも、残業時間も少なく、メリハリのある働き方ができる環境です。穏やかな人が多く、かといっていい加減なわけではなく、オンオフのバランスが取れた会社だと感じています。

編集部

温かな雰囲気が伝わってきますが、採用にあたってはどのような人を求めていますか?

三輪さん

オカモトヤが求める人物像は、「自ら考え行動し、価値創造できる人」「すこしのアイデアとすこしのユーモアがある人」「自分らしくコツコツ前向きに進める人」の3つです。これにマッチした方であれば、営業経験の有無は問いません。

新人営業は必ず先輩社員に同行しノウハウを学べますし、お客様からの問い合わせに対しては、営業支援部が商品の詳細確認や見積作成をサポートします。オフィスのデザインや工事に関する専門部隊もあり、営業一人で抱え込まずにチームで対応できる体制を整えているので、安心して働いていただけると思います。

オカモトヤから転職希望者へのメッセージ

編集部

それでは最後に、株式会社オカモトヤを代表して、三輪さんから転職を検討している読者の方々へメッセージをお願いします。

三輪さん

私自身も転職経験者なので、最初の一歩を踏み出すことの難しさや、「本当にこの会社は良い会社なのか」と悩む気持ちはよく分かります。ですが、現在は売り手市場ですから、転職を考えている方、特に20〜30代の若い世代の方々はあまり心配せずに一歩を踏み出していただければと思います。

そしてその踏み出す先が、弊社オカモトヤであれば、とてもうれしく思います。少しでも弊社や営業という仕事に興味を持っていただけましたらぜひ飛び込んでみてください。皆様からのご応募をお待ちしています。

編集部

御社の女性活躍や、徹底したワークライフバランスが印象的でした。また、革新的な設備を備えたオフィスが、よりいっそう社員の働きやすさを後押ししていると感じました。本日はありがとうございました。

この記事のまとめ

企業概要と特徴
  • 「働くひとのミカタ」をパーパスとして掲げる
  • 社員約140名中、約3割が女性
  • 2024年1月に新オフィス「palette」が日経ニューオフィス賞を受賞
女性活躍推進
  • 女性役員1名、女性グループ長2名が在籍
  • 2022年に女性向け新規事業「Fellne(フェルネ)」を立ち上げ
  • 女性社員向けの外部講師による研修を実施
ワークライフバランス
  • 産休育休取得率100%、育休後の復職率もほぼ100%
  • 時短勤務、看護休暇、在宅勤務(週2回まで)、時差出勤制度を整備
  • 有給休暇の取得日数が業界平均を上回る
オフィスの環境
  • 全部署がワンフロアに集約され、部署間連携が向上
  • セルフメンテナンスルームやゴルフシミュレーション設備を完備
  • 「社長のおごり自販機」でコミュニケーション促進
求める人材像
  • 自ら考え行動し、価値創造できる人
  • すこしのアイデアとすこしのユーモアがある人
  • 自分らしくコツコツ前向きに進める人

株式会社オカモトヤの基本情報

住所 東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズステーションタワー9F
事業内容
  • 文具、事務用品、OA機器、オフィス家具の仕入、販売
  • コピー機、加算機の修理
  • 印刷物の販売
設立 1912年6月
働き方
  • ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)
  • 時差出勤制度(8時出社、9時出社、10時出社の3パターン)
公式ページ https://www.okamotoya.com/
採用ページ https://www.okamotoya.com/recruit
募集職種 営業職