テレワークの導入やインターンの積極的な受け入れを通じて、ビジネスの革新を続ける企業にインタビューする本企画。今回は子ども向けのバスケットボール教室を運営する一般社団法人バスケットボール推進会にお話を伺いました。
一般社団法人バスケットボール推進会は、日本のバスケットボールをより身近なスポーツにすることを目的として、2014年11月に設立された団体です。
近年、NBAでの日本人選手の活躍やプロバスケットボールリーグの創立など、バスケットボールへの注目が高まるなか、団体では子ども向けバスケットボール教室の運営などを通じて、競技の更なる普及に貢献しています。
会社名 | 一般社団法人バスケットボール推進会 |
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住所 | 大阪府大阪市中央区北久宝寺町3-6-1 本町南ガーデンシティ7階 |
事業内容 | ・バスケットボールスクール事業 ・バスケットボールサークル事業 ・バスケットボール大会事業 |
設立 | 2014年11月20日 |
公式ページ | https://basketball-pp.or.jp/ |
働き方 | ・テレワーク ・フレックス |
一般社団法人バスケットボール推進会は、事業拡大に伴い正社員の採用を強化しているほか、指導する楽しさを知ってもらいたいという思いからバスケ教室のコーチとして活動する学生インターンを積極的に受け入れています。
今回は、代表理事の山口貴久さんと、理事の中野健一さんに、若手メンバーの活躍やインターン制度、フルリモート環境での働き方について伺いました。
【事業内容】子ども向けバスケットボール教室の運営を3府県で実施。競技の普及に貢献したい
編集部
まず最初に、バスケットボール推進会さんの事業内容について教えてください。
山口さん
私たちは、4歳から中学3年生までの子どもを対象としたバスケットボール教室を大阪、兵庫、京都の3府県で運営しています。
2014年の設立当初は大人向けのバスケイベントや大会の開催が中心でしたが、2015年から子ども向け教室事業をスタートし、現在は地域のスポーツセンターをはじめとする19会場でスクールを展開しています。
編集部
スクールにはどのような特徴がありますか?
山口さん
「ダイアモンドバスケットボールスクール」という教室名で運営しており、競技経験のあるコーチがそれぞれの生徒のレベルに合わせた指導を行っています。
「生きる力を育てる」をスクールのテーマとしており、バスケットボールを通じてスポーツの楽しさを伝え、社会で活躍できる「心」の成長に貢献したいと考えています。
編集部
バスケを通じてそれ以外のスキルも身に付くような指導を行っているのですね。
代表の山口さんが話す理念!日本には、まだまだバスケ人口を増やすチャンスがある
▲一般社団法人バスケットボール推進会は、「バスケットボールを、もっと身近に。」という理念のもと、競技の普及を目的とした活動を行っている。(公式サイトから引用)
編集部
NBAで日本人選手が活躍したり、2023年は沖縄県でバスケのワールドカップが開かれたりと、バスケが話題になることが多くなったと感じます。バスケットボール推進会さんは、競技を取り巻く環境についてどうお感じですか?
山口さん
子どもに人気のバスケ漫画「スラムダンク」の映画化などもあったので、2023年に入って新規入会者が急増し、私たちも盛り上がりを感じています。ただ、日本のバスケは「まだまだこれから」だと思っています。
バスケットボールの競技人口は世界に約4億5,000万人いると言われており、バレーボールに次いで2番目に人気の競技です。しかし、日本に限って見ると、1位がサッカー、2位が野球で、バスケはトップ5に入っていません。
編集部
日本のバスケには、まだ伸びしろがあるということですね。
山口さん
はい。学校の部活としては人気があるものの、多くの人が進学や就職をきっかけに競技から離れてしまいます。つまり、バスケを続けたくても続けられる環境が整っていないと言えます。
だからこそ、私たちは「バスケットボールを、もっと身近に。」という理念のもと、普及活動を続け、バスケというスポーツをさらに盛り上げたいと思っています。
正社員・インターンを積極採用!バスケ教室の全国展開を目指している
編集部
日本におけるバスケットボールには伸びしろがあるというお話しでしたが、今後の事業で目指すことを教えてください。
山口さん
まず、バスケ教室については、「生きる力を育てる」というテーマのもと、さらに開催場所を増やしたいと考えています。現在は3府県の展開ですが、全国に300クラスを開校することを目標にしています。
300クラス全てを私たちが指導することは難しいので、運営ノウハウやカリキュラムの提供といった部分でサポートすることも考えています。このような活動を通じて日本のバスケ人口を増やし、最終的には世界レベルで戦えるような日本代表チームが生まれることを願っています。
編集部
さらなる事業拡大を目指すためにも、新しいメンバーの力が必要になりますね。
バスケの魅力発信を通じて競技を盛り上げたい人を歓迎
編集部
スクール事業の全国展開を目指すということは、今後の採用は全国の方が対象になるのでしょうか?
山口さん
はい。バスケ指導者として競技の普及に関わることに興味をお持ちの方でしたら、全国からご応募いただきたいです。
編集部
バスケットボール推進会さんで働くにあたり、バスケの競技経験は必要ですか?
山口さん
はい。バスケの競技経験が6年以上あることを要件としていますが、プロや実業団で求められるような高度なスキルは必要としていません。プレーの技術より、子どもやバスケ初心者に対して競技の面白さや魅力を伝えることができる力を重視しています。
スクール事業を盛り上げるうえで、SNSなどを活用した発信の強化も欠かせないと考えているので、そのような分野で活躍していただける方にもぜひメンバーとして参加していただきたいです。
インターンはバスケ教室のコーチを担当!「教える魅力を知ってほしい」
編集部
続いて、インターン制度についてお伺いします。現在、バスケットボール推進会さんでは学生のインターンを積極採用されているということですが、どのような業務を担当するのでしょうか?
中野さん
現在、8人ほどの学生インターンを受け入れており、子ども向けバスケ教室のコーチとして私たちの活動に参加しています。ほとんどの学生が、部活などでバスケットボールの経験がある人たちです。
編集部
インターンを受け入れた経緯について教えていただけますか?
山口さん
若い世代の人たちに、バスケットボールを仕事にするための選択肢を知ってもらいたかったからです。つまり、バスケが好きな人がバスケを仕事にするには、プロの選手としてプレーするだけでなく、指導者として競技に関わる方法もあるということを伝えたいということです。
バスケの普及のためには、プレーヤーを支えるコーチの存在も重要になります。だからこそ、指導者として教えることの魅力を多くの人に伝えたいと思い、インターンの受け入れを決めました。
ここでの経験をきっかけに、子どもたちに何かを教えることの楽しさを知ってもらい、その後も何らかの形でバスケの普及に関わってもらえたら嬉しいです。
編集部
バスケットボール推進会さんは、指導者の輩出という点においても重要な役割を担っているのですね。
推進会のメンバーは、バスケ教室の運営を通じてビジネススキルを身につけることができる
▲一般社団法人バスケットボール推進会の中野さんは、正社員として入社後、現在は理事として運営に携わっている。
編集部
ここからは、バスケットボール推進会さんのメンバーの活躍についてお伺いしたいと思います。まず現在の社員数について教えていただけますか?
山口さん
現在、私と中野を含む3名が役員を務め、組織運営や教室のコーチ業務を行っています。このほかに15名前後がアルバイトのコーチとして活動しています。正社員については、これから積極的に採用したいと考えているところです。
編集部
中野さんは30代で理事として運営を支えているということですが、入社のきっかけなどをお話しいただけますでしょうか?
中野さん
弊社に入社する前からバスケ教室の運営に携わる仕事はしていたのですが、より本格的にバスケットボールを仕事にしたいと思い、私の地元である大阪府大東市に新しく教室ができるタイミングで入社しました。
編集部
日々、どのような部分にやりがいを感じていらっしゃいますか?
中野さん
子どもたちをはじめ、保護者の方、コーチとして活動に参加してくれるスタッフなど、事業を通じて関わる多くの人たちに良い影響を与えることができるのは、責任と同時に大きなやりがいを感じます。
編集部
バスケットボール推進会さんでのお仕事を通じて、どのようなスキルの獲得や成長が期待できますか?
山口さん
正社員の場合、教室での指導だけでなく、新しくスクールを開催する場所の開拓、会場やコーチ陣のマネジメントなど様々な業務に携わります。そのため、バスケ以外の強みも活かしながら、ビジネススキルを身につけることができます。
編集部
バスケを通じて、ビジネスに役立つ総合的な能力を持つ人材に成長できるのですね。
アイデアを実行に移す「行動力」が、存続の危機を乗り越えたカギ
編集部
これまでに、大きな壁に当たったエピソードはありますか?
山口さん
真っ先に思い浮かぶのは、新型コロナウイルスによる影響です。
当時、15箇所ほどの会場で子ども向けバスケ教室を運営していましたが、新型コロナウイルスにより開催ができない状況になってしまいました。完全に教室を閉鎖したのは1ヶ月間でしたが、それ以降も影響は続き、月額制の教室を運営する私たちは大きなダメージを受けました。
編集部
山口さんと中野さんは、役員としてどのように乗り越えたのでしょうか。
山口さん
今すべきことを考え、できるところから行動に移しました。例えば、借りていたオフィスを解約し、バーチャルオフィスに移転したほか、教室についてはオンラインで参加できるプログラムを作ることで会員様に利用し続けてもらいました。
少人数の組織ということもあり、メンバー同士でアイデアを出し合いながらフットワーク軽く行動したことで、危機を乗り切ることができたと思います。
編集部
臨機応変でスピーディーな対応を取ったのですね。
山口さん
はい。新型コロナウイルスが流行する前よりも事業が盛り上がっている現在の状況を見ると、あの時に乗り越えたからこそ、この光景が見られるのだという思いになります。
フルリモートでの働き方で重視するのは、コミュニケーションと自立した行動
編集部
バスケットボール推進会さんでは、テレワークを導入しているということですが、どのような働き方をされているのでしょうか。
山口さん
私たち自身もコーチとして活動しているため、夕方から夜にかけてはスクール会場に行きますが、それ以外の業務については弊社がバーチャルオフィスということもあり、それぞれ自宅などで行っています。
勤務開始時間は午前10時を基本としていますが、個人の状況に合わせて柔軟に対応しています。
編集部
フルリモートで働くことについて、中野さんはどのように感じていますか?
中野さん
好きなタイミングで働ける環境は私にはとても合うと感じていて、パフォーマンスの向上にもプラスに働いていると感じます。
編集部
メンバー同士のコミュニケーションはどのように取っていますか?
山口さん
週に2回、定例のオンラインミーティングがあるほか、月に1度は実際に集まって顔を見ながらミーティングを行っています。また、月に1〜2回、バスケ教室の指導スタッフを集めてオンラインの勉強会を開いて情報共有や業務の進捗確認をしています。
▲一般社団法人バスケットボール推進会のオンライン会議では、世間話を交えながら楽しくコミュニケーションをとっている。
中野さん
私はマネージャーという立場でコーチ陣をまとめる仕事をしているので、時間が取れる時はスクール会場に出向いてコーチと直接コミュニケーションを取ることを心がけています。顔を合わせて話すことで、心配事なども話してもらいやすいと思っています。
編集部
アルバイトのコーチを含めて、どのような雰囲気で働かれていますか?
山口さん
一人ひとりが弊社の目的であるバスケの普及促進を真剣に考えているので、それぞれがやるべきことをしっかりやって、事業を拡大しようという意識を感じます。もちろん、顔を合わせれば和気あいあいとコミュニケーションしますが、業務を第一に考えて行動するカルチャーがあると思います。
編集部
メリハリをつけながら、それぞれが自立して行動できる組織なのですね。
編集部
最後に、バスケットボール推進会さんの求人に興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
山口さん
好きなことに仕事で関わりたいと思っている人は多いと思います。バスケットボールの世界でも、プロの選手としてだけでなく、指導者など様々な形で仕事として関わり続けることができます。指導の道に興味があるけれど、自分ひとりではどこから始めたらいいのか分からない方もいると思うので、そんな時はぜひ私たちの団体で一歩を踏み出してほしいと思います。
支え合って励まし合うチームワークなど、バスケには生きる上で大切な学びが詰まっています。学生時代にご自身が競技から学んだことを、今度は指導者として子どもたちに教えてほしいと思います。また、子どもから教えてもらうこともたくさんあるので、人間として一段と成長することができるはずです。
編集部
バスケの普及のためにできることを真剣に考え、積極的に事業を拡大するバスケットボール推進会さんだからこそ、働くメンバーも高い意識を持ちながら成長できるのだと感じました。
全国300スクール達成という目標を掲げるみなさんの、今後の活躍が楽しみです。本日は、ありがとうございました。
■取材協力
一般社団法人バスケットボール推進会:https://basketball-pp.or.jp/
採用ページ:https://basketball-pp.jbplt.jp/