成長著しい企業の躍進にある背景やワークライフバランスを探るこの企画。今回は人事評価や目標管理などの人事システム「One人事シリーズ」を累計700社以上に提供している、One人事株式会社に取材をしました。
One人事株式会社とは
One人事株式会社は、官公庁や国立大学をはじめ、金融、製造、流通など、さまざまな業界のニーズに応じたITソリューションを提供する企業です。人事システム「One人事シリーズ」を軸に、システム開発や付加価値の高いサービスを展開しています。
会社名 | One人事株式会社 |
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住所 | 東京都品川区南大井6-26-2 大森ベルポートB館8F |
事業内容 |
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設立 | 2008年10月 |
公式ページ | https://onehr.co.jp/ |
働き方 | 出社orリモートワーク(ハイブリッド) |
前進である株式会社日進サイエンティアの時代から、約30年に渡って高い品質のテクノロジーとITソリューションを幅広い業種に提供しているOne人事株式会社は、国公立大学においてシェア率約75%のHR(※)システム企業として、人事領域における業界トップクラスの業務知識と品質を誇っています。
※HR:Human Resources。人的資源全般に関係する業務
同社のテクノロジーが長きにわたって支持される理由や、企業成長を支える要因、ワークライフバランスなどについて、人事採用室の古川さんと吉岡さんにお話を伺いました。
累計導入実績700社以上の「One人事シリーズ」を主力にあらゆるITソリューションを提供
編集部
最初に、One人事株式会社の事業内容についてお聞かせください。
古川さん
当社は、HRTech SaaS事業・PublicHRソリューション事業・DX事業の3つの事業を柱に、金融機関や公的機関などさまざまな業種のお客様が求めるICTの活用に対し、質の高いITソリューションを提供しています。
主力製品の「One人事シリーズ」は、クラウド型タレントマネジメントシステム「One人事」、官公庁や国立大学などにおける人事給与、就業管理、人事評価、ワークフローなどに特化した「One人事Public」を展開しております。
「One人事シリーズ」の中で最も新しいサービスが、SaaS事業が提供するクラウド型タレントマネジメントシステム「One人事」です。目標管理機能や人事評価機能、キャリア管理機能、スキル管理機能など、人事業務遂行に必要なさまざまな機能を有したシステムとなっています。
当社はもともと官公庁や国立大学など公的機関に向けたソリューションを得意としており、これまで培ってきたノウハウを民間企業様にも提供していきたい思いから、2021年以降、SaaSによるタレントマネジメントシステムに新たに参入、チャレンジをしています。
編集部
「One人事シリーズ」はこれまで累計700社以上に導入実績があると伺っております。人事領域を管理するシステムはさまざまありますが、One人事が高い評価と信頼を得ている要因はどこにあるとお考えですか?
古川さん
1つは公的機関専用のシステムを、ゼロベースから開発したことが挙げられます。人事領域における管理システムを官公庁・自治体・国立大学や独立行政法人などに導入するには、一般企業向けに開発されたシステムをカスタマイズし、運用するのが一般的です。
それに対し、当社は大学機関と連携しながら開発を進め、公務員人事制度に合わせたシステムを作り上げてきました。
2つ目の要因としては、法改正や制度改革などが人事領域に大きく影響する公的機関において、柔軟に対応し、迅速なバージョンアップを提供できていることが挙げられます。加えて、導入後の手厚いサポート体制が3つ目の要因になっていると考えられます。
これらが総合的に評価されたことで、金融や流通など幅広い業種・業態への販路が確立されていったと分析します。
編集部
機密保持が高く求められる公的機関に特化したシステムを、ゼロベースから開発するOne人事株式会社の技術力が幅広い業界で評価されているのですね。
高い評価を得ている充実のフォロー体制
▲「One人事シリーズ」を導入した企業には、One人事株式会社の社員が運用をレクチャー。万全なフォロー体制を整えている
編集部
開発をゼロベースからおこなっていることにOne人事株式会社の企業努力を感じます。常に最新のテクノロジーを製品に反映しているOne人事株式会社の開発力の源はどこにあるのでしょう。
古川さん
当社の前進である日進サイエンティアが、中国を拠点とした開発部隊を開拓したことが大きく関係しています。中国の優秀なエンジニアに一部、オフショア(※)として業務を委託することでスピード感を持った開発が可能となっています。
※オフショア:コスト削減や人材リソース確保のために自社の業務の一部を海外に委託・移管すること
開発体制としては、要件定義などは日本国内のエンジニアが対応し、設計開発を中国の開発部隊が担う流れになっており、最終設計や導入、アフターフォローは全て日本国内で対応しています。ダイバーシティを推奨している当社では、このような仕組みのハイブリッドオンショアを取り入れております。
編集部
One人事株式会社の技術力はもとより、手厚いアフターフォローも高い評価を得ていると伺っております。
吉岡さん
製品ごとにサポート体制があるほか、お客様の環境に合わせてカスタマイズした製品については、要件定義を担った者からサポートを提供することで、一貫してお客様の状況に合わせた支援を行っています。
当社が提供する人事領域のサービスは、人事や給与など、機密性が高い分野です。そのため、営業、サポート要員も含め、担当者をあまり代えずにサポートを提供する体制をとっています。
担当が代わる場合は、いきなり交代をするのではなく、現在運用している体制に新たな人員を加え、ノウハウや取り決めを書面化することで引き継ぎをします。また、運用先であるお客様企業側で人事異動があった場合も、新任のご担当者様へシステム運用について我々がレクチャーをさせていただいております。
成長機会が多く与えられる“自社開発”の魅力
▲高いクオリティのOne人事製品をゼロベースから自社で開発することは、エンジニアにとってこの上ない魅力である
編集部
One人事株式会社では開発から製品化まで自社で一貫されていますが、人材育成において、工夫されていることはありますか?
古川さん
当社には、エンジニア経験がなくてもやる気があり、自己研鑽を惜しまない者には平等にチャンスを与えるといった考えが前提としてあります。
エンジニアの人材育成においては、当社のICT事業におけるSESを活用しています。大手クライアント様のシステム開発の現場にエンジニアがチームで常駐することで、エンジニアとしての基礎知識を習得すると同時に、業務に直接携わりながらスキルを磨くことができます。
一定のスキルを身につけた後、システムエンジニアとしてさまざまなプロジェクトに参画する道を選ぶ者もいれば、自社開発の部署を希望する者もいます。
システム開発の現場に常駐することは成長の機会でもあります。そのチャンスをいかに自身のキャリアにつなげていけるかが、その後のキャリア形成に大きく関係していくと思われます。
編集部
なるほど。成長意欲を持った方であれば、年齢や社歴を問わず、重要なポジションに就くことができるわけですね。キャリアの早い段階で裁量を与えているOne人事株式会社ですが、それに対するフォローなどはありますか?
吉岡さん
やりたいと手を挙げた者に仕事を任せるといったカルチャーではありますが、業務をやり遂げられるようにフォローをする体制をしっかりとっています。定例報告を受け、進捗が遅れている場合は「なぜできていないのか」ではなく、現状についての報告を聞くことで対策をチームで話し合うようにしています。
また、エンジニア同士で勉強会を開いたり、営業は常にコミュニケーションを図ることで裁量を持つ中でも孤立しないように努めています。このようなフォローの積み重ねによって、裁量を持って働くことの責任、楽しさを実感している社員が多いように思われます。
編集部
信頼できる仲間のフォローがあるからこそ、自信を持って業務にあたることができるのですね。エンジニア、営業職とさまざまな職種があるOne人事株式会社ですが、どのような評価制度を設けていらっしゃいますか?
吉岡さん
エンジニア、営業など、それぞれの職務内容に合わせ、自社製品「One人事シリーズ」を使った人事評価や目標管理を事業部ごとにおこなっています。
公的機関向けの事業部については歴史が長く、評価制度も確立していますが、SaaS事業のように新しく立ち上がったプロジェクトにおいては、事業の内容や職種に合わせて評価制度の運用を固めている段階です。
編集部
事業の内容や部署のカラーに合わせ、逐次対応しながら柔軟に対応することで、公平な評価をされているのですね。
自主性を重視したワークライフバランス
編集部
次に、One人事株式会社の働き方について伺います。現在の勤務形態についてお聞かせいただけますでしょうか。
古川さん
事業部によって異なりますが、全社平均でみると週3回の出社と週2回のリモートワークとなっています。これに対し、エンジニアはリモートワークの割合がもう少し多くなっているのが実情です。
官公庁や国立大学などを担当する営業の場合は対面での商談が発生することがあるので、出社を基本とし、週に1回程度をリモートワークにあてる者もいます。
編集部
ワークライフバランスの観点で、One人事株式会社が力を入れている制度などはありますか?
古川さん
制度としてルールを決めるのではなく、ライフステージに合わせて社員が選択できる環境を整えていきたいと考えています。家庭の状況によってはフルリモートで勤務している者や、時短勤務、週4日の勤務という者もいます。各自が自主性を持って働き方を考えるといったところを、会社として後押しする方針です。
編集部
女性の場合、産休育休制度を活用されている方もいらっしゃると思われます。One人事株式会社では復職される際のフォローなどはありますか?
古川さん
復職にあたり、本人と人事担当者で面談をおこない、時短勤務やリモートワークなど希望する勤務形態をヒアリングします。その上で、復職前のポジション、または新しい部署への異動希望などを聞くことで、スムーズな復職ができるようサポートしています。
編集部
自分で働き方を選べるOne人事株式会社では、社員がベストなパフォーマンスを発揮できる環境が整っていると感じます。また、休職者は丁寧なフォローがあるおかげで、ブランクを感じることなく復職ができますね。
ムダな残業はしない。効率を重視した働き方
編集部
ワークライフバランスの取れた働き方ができるOne人事株式会社ですが、残業時間はどれくらいになっていますか?
吉岡さん
こちらも事業部や職種によって開きはありますが、全事業部の平均残業時間は月20時間ほどとなっています。業務を進める営業部門の残業は比較的少なく、定時から30分以内に退社する者がほとんどです。そのため、20時間の残業はほぼ、エンジニアが占めていることになります。
SESは残業時間が多いイメージを持つ方が多いと思われますが、当社の場合、常駐先のプロジェクトの進捗具合にもよりますが、業界的には少なく、月の平均残業時間は10〜15時間程度です。
効率良く仕事をすることを社長自らが求めており、営業、エンジニア共に業務をスリム化したことが、残業時間の短縮につながっているように思われます。
編集部
少ない残業時間を可能としているのは、社員が働きやすい環境を整備しているからなのですね。
オフィスは社員間のコミュニケーションの場
▲明るい雰囲気の会議室は業務に関すること以外にも、社員のコミュニケーションの場としても活用されている
編集部
働き方を自分で選ぶワークライフバランスを導入されているOne人事株式会社では、社員間のコミュニケーションはどのように図られていますか?
古川さん
出社とリモートワークのハイブリッドな働き方ではありますが、社風として出社による勤務を大切にしている面があります。社会情勢が落ち着きを取り戻しつつある今、やはりコミュニケーションの質を高めるには対面が望ましいことがその理由です。
新規サービスの立ち上げに伴い、オフィスを増床したのですが、オフィスを仕事場としてだけではなく、社員同士が円滑にコミュニケーションを取ることができる場にしていきたいと考えております。
特にSES事業の場合、基本的に駐在での勤務になるため、帰属意識を持ったコミュニケーションの場が必要となります。自粛していた社内イベントも、社会情勢を踏まえながら再開を検討しているところです。
“大人のITベンチャー”One人事にスピード感を持ってジョインできる方を歓迎
▲2023年5月にビッグサイトで開催されたHR EXPOでは、デモ画面を使用した製品の紹介やトライアルの案内など、課題に合わせたOne人事の活用方法を提案
編集部
HRシステム業界のトップを行くOne人事株式会社がカルチャーとして大切にされていることはありますか?また、そのカルチャーは採用にも反映されているのでしょうか。
古川さん
当社では国籍や性別、経験を問わず、多様性を重視した採用活動をおこなっています。採用にあたり、最も重視するのが「One人事シリーズ」をはじめとした当社の製品・サービスや理念に共感し、成長意欲を持って活躍できることです。
編集部
なるほど。それを踏まえ、吉岡さん、古川さんそれぞれにお聞きします。One人事株式会社が求める人物像とはどのような方になりますか?
吉岡さん
当社の特徴を一言で表すと、非常にスピードが速い会社であることです。製品開発はもとより、新製品のリリースサイクル、SaaS事業への挑戦など、日進月歩のIT業界に果敢にチャレンジをする風土が根付いています。
学ぶ意欲を常に持ち、スピード感を持ってITソリューション分野で活躍したい方にとって、当社の活動はきっと、ご希望に添えるかと思われます。ぜひ、飛び込んでみてくださいね。
古川さん
経験豊かな人材が集まる当社では、自らを“大人のITベンチャー”と呼んでいます。幅広い年齢層が活躍しているのに加え、SES事業の派遣実績や公的機関への高い導入シェア率に甘んじることなく、新しいSaaS分野に参入するなど、常にスピード感を持ってチャレンジしていることがその理由です。
新しい分野で共に成長をするには、意思決定ができる自走力のある方が最も活躍できる人材だと思います。これまでお話しさせていただいたとおり、経験豊富な上司、先輩社員による手厚いフォローがあるので、成長意欲がある方にぜひ、ジョインしていただけたら嬉しいです。
編集部
業界トップクラスの技術力と高い導入実績に甘んじることなく、常に進化を求めるOne人事株式会社は、時代を切り開く企業モデルとなりそうです。ライフステージに合わせて選択できる働き方は、新しいワークライフバランスとして、今後ますます注目されていくことでしょう。
本日はありがとうございました。
■取材協力
One人事株式会社:https://onehr.co.jp/
採用ページ:https://hrmos.co/pages/onehr